始まりはいつも雨。

知ってた。知ってたからカッパを新調してた。

抜かりなし。

少しの肌寒さを感じながら、46号線へ乗る。

そこらじゅうで花が見頃を迎えていた。

何だかまた、出発恒例の気持ち。

送り出してくれてありがとう。
待っててくれてありがとう。

どうしても少しセンチになる。


雫石に入り景色はどんどん広くなった。

桜に若葉でパステルカラー。

色着きの季節。

そういえば、新緑の季節に旅に出てみたいって思ってた。

願いが叶った。


パッキングが久々なもんで、少々心配になってしまったから定番の雫石の道の駅あねっこでチェック。

うむ。傾き無し!

そして久々に男に間違われた。

痩せたってこったな。
太った時はオバチャン体型でしたもの。

間違えたおばさまとゲラゲラ笑って背中バンバン叩かれて出発!

いざ仙岩峠。

峠に入った途端に雪が残っていた。

山肌の4割はまだ雪の下。

山頂にはモヤもかかってて、見るからに寒々しい。

気温は10℃。

さすが峠。寒々しいんじゃなく寒い。

けど、橋の下の里はパステルカラー。

寒くたって雪があったって春ですよ。

峠を降りると満開の桜が迎えてくれた。

軽やかに風に揺れてる。

さらさらとたなびいて、暖かいし、雨は上がって明るいし、沸き上がるのは幸福感。

日本海を目指して町中を抜け、走り続けた。

久々にひたすら走るのは、ただただ楽しくて、どこまででも行けるような気がした。


海の気配をたどりながら駆け抜けて、再会日本海。

何年ぶりだろう。

前見たときよりずっと眩しくて明るいエメラルド。

花曇りの空の下、淡い水平線とキラキラ反射する潮の流れが美しい絵画みたいだった。