結局かき氷はごちそうしてくれた。

ごちそーさまです!

さあいよいよ出発だ!

走り慣れてる上に馬力が桁違いの車はメチャクチャ早く、ちょいと置いて行かれがちなノーテクライダー二人…。

ノーテクに気づいたのかゆっくりになってくれた。

しかし、一行は緑の看板へ進む。

そう、高速道路だ。

加速しなければむしろ危険。

ぬあー!馬力の無い相棒はフルスロットルだー!!

スピードに慣れるまではエンジンの振動も音も、ぶつかる風も恐怖でしかないが、

慣れて来れば意外といける模様。

そうか、前に沖縄行った時、首都高乗って静岡まで高速走ったっけ。

ヌフフ、成長。

て浮かれていられない。

ガソリンピンチ。

高速でガス欠になったらどうしよう。

走りながらリザーブに切り替えると言う高等テクニックを、果してこのスピードで敢行出来るのか…?

高速には無料区間だけの予定だが、後どのくらいだ?

距離が伸びる毎にソワソワしてきた。

中々長いぞ。まだか。まだか?まだなの?ふおぉ…

10Kmほど走ってようやく高速を降り、最初の信号でもうリザーブにしておいた。

これでしばらくは安心。

そのまま、一面の田んぼに走る一本道を駆け抜ける。

サワサワと実って香しい薫り。

随分走った後、車が左に寄った。

後は国道だから間違わないと、見送り終了らしかった。

車から「いってらっしゃい!」と笑顔を出すKさん。

「お世話になりました…いや、行ってきます!!」

一貫して「いってらっしゃい」なんだな。

うん、また「ただいま」しますね!

手を振って走り抜けた。

そのまま私たちはペースを落とさずに田んぼに囲まれた道を走り続けた。

しかし、どんなに走っても、ガソリンスタンドは無かった。

やっと見つけたら、潰れていた。

なんかヤバそうだ。

このまましばらく無いんじゃないか?

後から聞いたのだが、ミサトちゃんは、自分はまだ余裕があるからと、

私を置いて探しに行こうかと思ったそうだ。すまぬ~。

しかしスタンドを探す事に集中していた私たちは、少し脇に入った所に目敏く発見!

たっぷし入れちゃって下さい!

やっぱり心配事があると、走ってても楽しくないね。

ここからは走りに集中。

田んぼの広がる里山から徐々に離れる。

そして姿を現すのは最上川。

広々とした伸びやかな姿。

ものすごい懐深い流れですな。

川下りをする船が、灼熱の中に涼しさを届けてくれる。

ああ、心地好いなぁ…

うつら~…あー、やんばい、眠ひー…

眠気がへばり付いて来た。

このままじゃ危ないから道の駅とざわで休憩。

道の駅自体が日韓友好のテーマパークとなっていて中々豪華な作り。

ミサトちゃんが『頭スッキリ』と言う謳い文句の韓国産松の葉ジュースを買ってくれた。

ありがと~☆

海鮮チヂミと一緒に、イタダキマース!!

松のジュースなんて、何か怖い…と慎重に一口。

「っっ!!!ガヘっ!ゲヘっ!」

飲み込んだ時に鼻を抜けた香りは、とても口に入れる物の臭いじゃなかった。

例えるならば、ヴェポラップ。
(風邪の時に胸なんかに塗るヤツ)

刺激的~☆

なんて言ってられないくらい、マズイ。予想外すぎて度肝を抜いた。

ハズレ無しの海鮮チヂミでお口直ししましょう。

あ~、安心する。

チヂミを食べ終わっても、なかなかジュースに手が伸びない。

でも飲まなきゃ…!

て、一口飲んだ瞬間に、えづいた。

ごっ、ごめんなさい~!!私には無理ですー!!

買った本人、ミサトちゃんは、半分近く頑張ってた。

す、凄いよ…?

さて、あんまりゆっくりしてると日が暮れちゃう。

バイクに戻り出発の準備をしていると、おじさん達がワラワラと寄って来た。

「何CCだ?」「どっから来た?」「どこまで行く?」
質問攻め。

満更でも無いが、例のごとくのミサトちゃん『モタモタ』タイムをゆうに超えております。

行かねば。

最後に笑顔を振り撒いて、出発!

私たちは駆け出した。