夢の向こう側で、何かが振動している…

「お二人さん、朝だよ」って声も聞こえる気がする…

でも私はまだ『こっち側』にいたいんだ……



・・・



ヤマちゃん 「朝だよー」
ケータイ  「ブーーーーーン!ブーーーーーン!」


んああああ~眠い~!

夕べは案外早く燃え尽きて、結構寝てるはずなのに、猛烈に眠い。


むにゃむにゃ状態の私とミサトちゃんを尻目に、軽く片付けまでこなしていたヤマちゃん、拍手だ。


しばらくするとおばちゃんが来て、またおしゃべりしながら布団を片付け、
おしゃべりしながら朝食のお膳を持ってきてくれた。


カスケード-Image717.jpg

まさに旅館の朝食。


味のりなんて久しぶり!


そして特筆すべきは米の美味さ!つやつやぷりぷり!!


久しく見ない豪華な朝食である。


最近は朝食と言えばバイキングだもの。


と、こんな贅沢な朝食を食べる事が出来ない人約一名…。


苦悶の表情でお茶ばかり飲んでいる。


それは、さっきまで一番快調と思われたヤマちゃん。グロッキーです。


どうやら片付けに動き回ったのが悪かった模様。


そして、ミサトちゃんもオネム。


食後はみなグッタリ。


私も何だか体がモヤモヤするから、朝風呂をいただきに向かった。


今日は夕べとお風呂が交換されていた。


こっちのお風呂は岩風呂で、岩の段々が浴場内にたくさん。


転んだらそりゃあもう一大事。


お風呂はグっと深く腰くらいまであって、熱めのお湯がたんまりと堪能できる。


すぐに噴出す汗。ああ、デトックス☆


窓から差し込む朝日の清々しい事。心もデトックス☆


お風呂から上がったら、すっきりはしたものの眠気に拍車がかかっていた。


しかし、もうチェックアウトの時間になる。


この極楽のような空間からさよならしなくちゃならない。


「せめてもう一泊したいねぇ…。」


良い宿に泊まると毎回こう思っちゃう。


帰り際はみんなが出てきてお見送りをしてくれた。


なんだかVIPになった気持ち。


「お世話になりました!」


ものすごく名残惜しくて後ろ髪引かれるけど、


私たちは、極楽から一路下界を目指し山を降りた。




車は走る。私たちを乗せてブンブン走る。


下界に着いても足は止めずに盛岡市を通り過ぎ、

牧場に広がる一面の雪原が見えた頃、車が止まった。


ここは小岩井農場。


今雪祭りを開催中!さあレッツラ☆ドン!!


真っ白な一面の雪が光を反射していて70ムスカ。


目があぁ!!目がああぁあぁ!!!


立ち並ぶ雪像たちは、人気アニメのキャラクターを名乗っていたけど、


ちょ、これ、怒られない?


何というか、え?マジ?と聞きたくなってしまったぞ…。


ミサトちゃんの「溶けちゃったんだよ。」ていうフォローが、風に乗ってどっかへ行った。


ひとしきり雪像に爆笑させてもらいましたら、子羊たちを見に、ひつじ館へ。


ところが、今世間を騒がせている伝染病予防のため、見ることが出来なかった。


その代わりに羊たちの無邪気な写真が展示されていて和んだ。


羊って異様に和む。


ひつじ館を堪能していたら小腹が空いてきたから、出店で腹ごしらえする事にした。


特産品の並ぶ出店は、見ているだけで楽しい♪


あれもこれも食べた~い!!


私は『さくら屋』のホルモン焼と、盛岡名物うす焼をセレクト。


ミサトちゃんは小岩井名物牛乳ラーメン、ヤマちゃんは甘酒とジャンボ焼き鳥。


見事にばらっばら。


「おいしいおいしい」と食べていたけど、次第に「寒い寒い」としか言わなく…


コレは仕方が無い。何しろ雪祭りに来るには私たちは軽装だもの。


さ、食べ終わったら車に戻ろっか。


陽射しに暖められていた車内はほっこりと暖かくて、なんかの糸が切れそうだった。



かーえろーかーえーろー、お家へかーえーろー



盛岡市まで途切れそうな意識を何とか保つ。


下界にくれば嫌でも、夕べの極楽ぶりが浮き彫りになる。



あー!楽しかった!!また遊ぼうね~!!