夢の向こう側で、何かが振動している…
「お二人さん、朝だよ」って声も聞こえる気がする…
でも私はまだ『こっち側』にいたいんだ……
・・・
ヤマちゃん 「朝だよー」
ケータイ 「ブーーーーーン!ブーーーーーン!」
んああああ~眠い~!
夕べは案外早く燃え尽きて、結構寝てるはずなのに、猛烈に眠い。
むにゃむにゃ状態の私とミサトちゃんを尻目に、軽く片付けまでこなしていたヤマちゃん、拍手だ。
しばらくするとおばちゃんが来て、またおしゃべりしながら布団を片付け、
おしゃべりしながら朝食のお膳を持ってきてくれた。
まさに旅館の朝食。
味のりなんて久しぶり!
そして特筆すべきは米の美味さ!つやつやぷりぷり!!
久しく見ない豪華な朝食である。
最近は朝食と言えばバイキングだもの。
と、こんな贅沢な朝食を食べる事が出来ない人約一名…。
苦悶の表情でお茶ばかり飲んでいる。
それは、さっきまで一番快調と思われたヤマちゃん。グロッキーです。
どうやら片付けに動き回ったのが悪かった模様。
そして、ミサトちゃんもオネム。
食後はみなグッタリ。
私も何だか体がモヤモヤするから、朝風呂をいただきに向かった。
今日は夕べとお風呂が交換されていた。
こっちのお風呂は岩風呂で、岩の段々が浴場内にたくさん。
転んだらそりゃあもう一大事。
お風呂はグっと深く腰くらいまであって、熱めのお湯がたんまりと堪能できる。
すぐに噴出す汗。ああ、デトックス☆
窓から差し込む朝日の清々しい事。心もデトックス☆
お風呂から上がったら、すっきりはしたものの眠気に拍車がかかっていた。
しかし、もうチェックアウトの時間になる。
この極楽のような空間からさよならしなくちゃならない。
「せめてもう一泊したいねぇ…。」
良い宿に泊まると毎回こう思っちゃう。
帰り際はみんなが出てきてお見送りをしてくれた。
なんだかVIPになった気持ち。
「お世話になりました!」
ものすごく名残惜しくて後ろ髪引かれるけど、
私たちは、極楽から一路下界を目指し山を降りた。
車は走る。私たちを乗せてブンブン走る。
下界に着いても足は止めずに盛岡市を通り過ぎ、
牧場に広がる一面の雪原が見えた頃、車が止まった。
ここは小岩井農場。
今雪祭りを開催中!さあレッツラ☆ドン!!
真っ白な一面の雪が光を反射していて70ムスカ。
目があぁ!!目がああぁあぁ!!!
立ち並ぶ雪像たちは、人気アニメのキャラクターを名乗っていたけど、
ちょ、これ、怒られない?
何というか、え?マジ?と聞きたくなってしまったぞ…。
ミサトちゃんの「溶けちゃったんだよ。」ていうフォローが、風に乗ってどっかへ行った。
ひとしきり雪像に爆笑させてもらいましたら、子羊たちを見に、ひつじ館へ。
ところが、今世間を騒がせている伝染病予防のため、見ることが出来なかった。
その代わりに羊たちの無邪気な写真が展示されていて和んだ。
羊って異様に和む。
ひつじ館を堪能していたら小腹が空いてきたから、出店で腹ごしらえする事にした。
特産品の並ぶ出店は、見ているだけで楽しい♪
あれもこれも食べた~い!!
私は『さくら屋』のホルモン焼と、盛岡名物うす焼をセレクト。
ミサトちゃんは小岩井名物牛乳ラーメン、ヤマちゃんは甘酒とジャンボ焼き鳥。
見事にばらっばら。
「おいしいおいしい」と食べていたけど、次第に「寒い寒い」としか言わなく…
コレは仕方が無い。何しろ雪祭りに来るには私たちは軽装だもの。
さ、食べ終わったら車に戻ろっか。
陽射しに暖められていた車内はほっこりと暖かくて、なんかの糸が切れそうだった。
かーえろーかーえーろー、お家へかーえーろー
盛岡市まで途切れそうな意識を何とか保つ。
下界にくれば嫌でも、夕べの極楽ぶりが浮き彫りになる。
あー!楽しかった!!また遊ぼうね~!!