【6/3 10:30頃】
さっきの道を戻り、長渡への道を歩く。
同じ道も、逆から来ると違う道。
これは日本一周で、何度も迷子になって、
何度もUターンして思った事。
どこに来ても変わらない。
新しい発見ばかり。
峠越えの道にたどり着き、いざスタート!
クネクネ峠道。
徒歩じゃなきゃ、怖いくらいの峠道。
ジリジリ焦がす太陽に、少しうんざりしながら先へ進む。
カーブ2つ目くらいまでは、民家もあったけど、そこを越すと、本当に峠。
さらに2つくらいのカーブを越した辺りで、私は根を上げた。
このまま5Km歩いたら、完全に具合悪くなる…。
(だってすでに…)
まして帰って来なきゃない。
無理。
己を知る私は、正直に宣告。
「私、バイクで行くわ。」
快く承知してくれたミサトちゃんに感謝。
ミサトちゃんは徒歩をやり遂げたい様なので、一人宿に戻り相棒に跨がる。
走り出した途端に感じた。
「き、気持ちいい…」
歩くとあんなに辛かった道が、なんと気持ちいいものか!
日射か熱射か、フラフラした視界はシャンと見据えられて、
暑さがむしろ心地良い。
「どこまで来たかな~」と思ってたら、結構進んでたミサトちゃん。
クラクションを鳴らし、
「ガンバレ~」
と叫んでから、長渡へと先乗りした。
楽してごめんね。
長渡港を確認してから、見所の『ドワメキ岬』へ行った。
間違ったかと思うほどのダート、勾配。
一瞬、バイクで来たのが失敗だったかと思うほどだった。
やがて見えてくる
灯台。
立ち枯れた木々。
雄大さを惜しまない断崖。
陸と海。
自分がどこに居るのか忘れてしまう。
私の宝物の記憶を深く刺激する、白い断崖。
この小さな島にまさかの風景だった。