シェフおまかせ、サバイバル風 平和ボケサイババてくてく | sick

シェフおまかせ、サバイバル風 平和ボケサイババてくてく

ある日、大自然の真っ只中に放り出された。


何の意味もなく、理由もなく。



sick

こ、ここはどこだ?

視界に入るのは、ただそこにある自然。

次第にこれが、生命活動を阻む脅威になるであろう予感が、時間に比例してどんどん強くなっていく。

そうすると、もういてもたってもいられない。


「こ、ここはどこ?誰か…誰かーーー!てくてくてくてくてく!」



sick


てくてくてくてくてくと走る!

ひたすら走る!

100メートル30秒台の逆記録達成しそうな勢いだ!



鹿の群れ、その横にはムーの群れ。

地平線にかすむ数匹のライオンと、そのわきで申し訳なさそうに、しかし横柄に、いつでも走り出せる体勢を保ちながら周囲の様子をうかがっているハイエナの姿。



「どこだここたすけてー!」


人は、大自然の中では脆く儚い。

生態系の頂点に立つと言われている人間の知恵など、生身では何の役にも立たないのだ。

恐怖。それは、必然。

だから僕は走る。


「たたたたすけてー!!!てーくてーくてーくてーく!」



sick


同じ写真を使っているわけではない。

さっきと同じ場所をぐるぐる走り回っているのだ。

どうやらこの男は、人間にしては相当頭が弱い方だと見受けられる。

大自然の驚異から逃れようと、何度も何度も同じ場所をぐるぐると走り回るのである!


てーくてーくてーくてーく!たたたたすけてーくてーくてーく!と、徐々に失速しながらも大幅で走るのである!



しかし、彼はとうとう気付いてしまった。

「走っていると余計に目立ってしまう。できるだけ、ゆっくりと移動しよう」

そう思い立ち、彼はそうっと足音を殺すかのように、しかし先を急ぐように、焦りを殺しながら移動するのである。



sick


繰り返すが、同じ写真を使っているわけではない。

この写真は、そうっと、ゆっくり、慎重に移動している様子をとらえた写真だ。

言うなれば「てーくてーくてーく!」ではなく、「そお・・・そお・・・そお・・・」と言ったところだ。



だが、何度も同じ場所を移動しているうちに、とうとう飽きてしまったらしい。


どうやら、どうでもよくなってしまったようだ。



sick

「飽きた。ちょっと休む」


そう言って彼は、公園によくあるビヨンビヨンする奴に腰掛けて、ビヨンビヨンするのであった。


え?悠長?

そんなことしてる余裕なんてないはずだって?

ライオン?ハイエナ?


いやいやいや、

確かに「鹿の群れ、その横にはムーの群れ。地平線にかすむ数匹のライオンと、そのわきで申し訳なさそうに、しかし横柄に、いつでも走り出せる体勢を保ちながら周囲の様子をうかがっているハイエナの姿」


とは言ったけど、

「それが見える」とか「その姿が確認できる」とは言ってないからね?


ただ「鹿、ムー、そしてライオンとハイエナ」って言っただけだからね?


別にそう言っただけで、「そういう生き物が近くにいる」とは言ってないもん。


いるわけないじゃんサバンナじゃあるまいし。


ここ日本よ?


バカじゃないの。



じゃ。



sick