無題 | sick

無題

先日、亡き祖父の来訪を恐れる友人が遊びに来た。


彼女曰く、毎年お盆の季節になると、


既に亡くなった祖父がドアをノックしにくるのだという。


「恐いから、今年は一緒に過ごさせて」


もちろん大歓迎である。


彼女というよりは、むしろ彼女の祖父を大歓迎である。


心霊関連となると途端に見境がなくなる僕は、


今はチャンスさえあれば、幽霊と友達になりたいとすら思っている。


しかし、残念ながらそれらしき者は現れなかった。


代わりに、


人生ゲームで借金地獄の人生を味わった。


「幽霊よりも、人生の方が恐いわ」


明けの空が淀んだ空気を澄ませる頃、


僕はそう思った。