ああぷ | sick

ああぷ

昨日、今日とリード楽器の制作にあたっていましたが、

本当は僕、「リード楽器」ってあんま好きじゃないんです。

ってのはね、

音としての完成度は高いものかも知れないけど、

楽器としては完成度が高いとは言えないと思っているんですよね。

あ、いや、完成度はひたすら高いな。

なんつーのかな。

「リード楽器はどうやっても自分のものではなく他人のものだ」というのか。


ってのは、

たとえばリコーダーとかオカリナとかであれば、

とりあえずただ吹けば音が出るでしょ?

ギターにしたってウクレレにしたって、

とりあえずただ弦を弾けば音が出るじゃないですか。

ところがリード楽器ってのは、「リード」が無ければ演奏できないわけですよ。

増してこの「リード」も割れたら交換しなければならないという消耗品です。


文明を持たない未知の民族が、道端でオーボエを拾ったとしましょう。

それにはリードがついていなかったとしましょう。

未知の民族は「きっとこれは楽器だ」と考えるんですが、

どうやっても演奏できないわけです。

それは果たして楽器か?


いえいえ、オーボエはれっきとした楽器だし、音色も素晴らしいもんなんですけど、

なんつーのかなー

「音を出すために特別な処置がいる(オーボエやサックスといったもの)」とか

「制作に特別な技術やスペースを要する(ピアノやパイプオルガンなど)」とか

「音を出すために特別な技術を要する(トランペットやトロンボーンなど)」といった楽器って、

ちょっと僕の趣旨に沿わないんですよね。


たとえばピアノを例に挙げてみると、

あれは鍵盤をポンと押すことによってハンマーがピアノ線を叩いて音となるわけです。

これは言ってみれば琴なんかを叩いて演奏するのと原理は一緒です。

ギターにしても、鉛筆なんかで弦を叩くだけで音は鳴ります。

そういう音の性質に手間をかけて洗練させたものが「ピアノ」だと思うんです。

これは文化の発展に伴って進化してきた楽器で、とても素晴らしい楽器なんですが、

少なくとも古代人には到底制作できるような代物ではないわけです。


僕は現時点で「ピアノ」という楽器の存在を知っていますから、

ピアノを愛用していますしピアノがとても好きです。

だけど、

もし僕が「ピアノ」というものを知らなく、かつ「弦を叩いて演奏する楽器を作ろう」としていたら、

どういうものを作るだろうか?

当然ピアノなんて作れない。

だけど、その原理は知っている。

チェンバロ?

いや、そんな大掛かりなものは作れない。

とすれば何か?と。


僕は、ピアノを愛用しているしギターも愛用しています。

だけどね、

これらって「与えられた楽器」なんです。

「俺の楽器」じゃないんですよね。

与えられた楽器ではなく、

俺は俺の楽器が欲しいんです。

俺は俺の音が欲しい。

俺は俺の音楽が欲しいんです。

そのためにこうして楽器を作っているんですが、

だけど自分で作るとなると自ずとガイドラインは限定されてきて、

現存の文化的にも技術的にも洗練された楽器は作れない。

だからこそ初歩的な音の原理を利用した楽器を多様している「民族楽器」に共感できるのかも。


とは言っても、やっぱり僕は生粋のパンクスで、

生粋のシャウトマンなわけです。

重圧な音が好き。

ごっついギターリフが好き。

自分制作可能な楽器でどこまでコアな曲を追求できるか。

これが今の僕の目標です。


わかるかな。

わかれよな。


とっても主観的過ぎる感覚なんですけど、

民族音楽で使用されるような原始的な楽器と、

現代の洗練された楽器、

これらが交わる線が必ずあると思っています。


そんな感じ