私には3兄弟の友達がいる。

3人とも私より結構お兄さんだけどずっと可愛がってもらっている。

 

長男夫婦は食堂を営んでいて私達はよくそのお店で遊んでた。

次男は私が辛い時いつも一緒に遊んでくれていた私の兄貴分。

三男は子供みたいに私にチョッカイ出してきて小競り合いをして遊んでた。

 

最近は皆と一緒に飲むことも減ったけど三男とはよく三男の事務所の前で会って話をした。

あれだけいつもチョッカイ出してきてたのに私が乳がんになってからは

 

「身体大丈夫か? 副作用とか残ってないか?」

 

と会うたび心配してくれていた。

 

半年ほど前・・・

太った私はウォーキングをしていることを話した。

 

「俺もすごい腹が出てきたからちょっとダイエットせなあかんな~」

 

と突き出たお腹を触るとカチカチに硬いお腹。

背も高くゴツイ身体だけどお腹だけがポコンと出てる。

後にそれは腹水だったと知る・・・

 

最近全く会わなくなった三男が気になって長男夫婦に聞いてみた。

 

胆管がん・・・

 

それでもその時は治療に前向きで県外の病院にまで行って頑張ろうとしていたらしい。

 

強い男だということは知ってる。

きっと大丈夫!

 

それでも見かけない三男・・・

 

長男夫婦に言った。

 

「三男に会いに行ったらあかんかな~」

 

答えはやめとけってことだった。

痩せた身体を見られたくなかったらしい。

 

そんなに変わってしまってるのか?と胸がザワザワした。

その数日後・・・ 三男は亡くなった。

まだ54歳・・・

 

焼香の手が震えて涙が止まらなかった。

遺影の顔は凛々しくいつもの三男。

でも棺の三男は細く小さくなってしまっていた。

 

魂が抜けるということを実感せざるを得ない・・・

癌と戦ってものすごく苦しい思いをしてただろうその顔は苦しみから解放されて美形だったこともあってか人形のようだった。

元々キリっとした男前だった顔、肌つやも綺麗で本当に人形みたいだった。

 

亡くなってまだ5日。

気付くと三男の事を思い出してる。

 

「お前はゴリラや!でもお前はすごいで~ なんていっても車の免許取れるんやから賢いゴリラや!(笑)」

 

「うるさいハゲ!!!(怒)」

 

そんなチョッカイ出したかと思えば

 

「痺れ大丈夫か? もう再発とか心配ないんか? 他にどこも転移してないんか?」

 

いつも喧嘩してたけどあったかかった。

私の携帯に入ってる写真には下を向いてる私をあたたかい目で見てくれてる三男の写真が入ってる。

 

友達がその光景を見て何かいいなって思ったらしく写真を撮って送ってくれたもの。

その写真を見るとやっぱり涙が出てくる。

 

ものすごく辛かったやろうけど治療ホンマに頑張ったな!

やっぱり強い男や・・・

もう頑張らんでいいんやな!

これからはゆっくり休んで大好きなビールいっぱい飲んでください・・・