物忘れの激しい老人のため、備忘録として記載する。
カマラハリス氏は8月29日に行われたCNNの単独インタビュー中で、共和党員からの閣僚起用を示唆した。
この話を聞いた瞬間、共和党員だが超党派での支持を集められ、しかも穏健なネオコン、共和党から裏切り者の烙印を押されても次を気にしなくてよい年齢、という条件を満たす絶妙の人物が想起された。(全くの妄想で何の根拠もないことは申し添えておく)
2003年から2011年までカリフォルニア州知事を務めたアーノルド・シュワルツェネッガー氏だ。
2016年の大統領選に向けて共和党予備選への出馬を検討するも、トランプ氏出馬を受けて断念したとも言われており、また2021年の議会襲撃事件後の全米に向けたメッセージは記憶に残っている人も多いだろう。共和党トランプ派と一線を画しているのは明らかだ。
カマラ・ハリス氏は2004年から2010年までサンフランシスコ司法長官を務め、2011年から2017年までカリフォルニア州司法長官だった。
お二方が「カリフォルニア人脈」で繋がっているのは容易に想像がつく。
カマラハリス氏と民主党左派との政策ギャップが見え始めた中、穏健保守層の取り込みが選挙戦においても選挙後においても重要になる。
もし、大統領選の終盤に激戦州の民主党集会でカマラ・ハリス氏とアーノルド・シュワルツェネッガー氏が並んで立つようなことがあれば、多くの人は2021年1月の議会襲撃事件とシュワルツェネッガー氏のメッセージを思い出し、結果としてトランプ氏の票田(と同時にカマラ・ハリス氏とワルツ副大統領候補では荷の重い課題)である白人・中高年男性・低所得者層の一部を切り崩すことが出来るだろう。
9月10日の討論会でカマラハリス氏が優位に立った場合はこのカードを温存し、接戦または劣勢の場合は9月中にでもお披露目し反転攻勢に出るだろう。そうなると共和党内のネオコン派と言われる人たちが動きづらくなり、一枚板に見えていた共和党内に綻びが生じるかもしれない。
直近1週間はケネディ氏の撤退およびトランプ政権閣僚入り、マスク氏のトランプ政権入り示唆と、僅かにトランプ氏優勢であったがこれで再び互角。
次はトランプ陣営が黒人・ヒスパニック、女性、若年層の切り崩し策を再提示する番になる。穏健なネオコンに擦り寄ったように見えるハリス氏に対して、単に「戦争屋に与した」との類いの批判ではなく反戦・平和のメッセージをどこまで打ち出せるか興味深い。
選挙戦のステップを、1)自陣営の票固め、2)相手方陣営の切り崩しまたは取り込み合戦、3)スキャンダル合戦とするならば、ステップ2も佳境に入ったということだ。
些か不謹慎ではあるが、ステップ2の期間が長い選挙は、政策論争と政策統合(または妥協)を伴うことが多く、観ていて面白い。願わくばトランプ陣営がネタ切れで早々にステップ3に移行することがない事を願いたい。(そういう気配が垣間見える)