SIMS4の賢人特質(trait_wise)が付いたふりをする雑記の第2弾

 

まるで雨季のバンコクのような東京の空

 

 朝起きて部屋の窓から空を見る。まるで雨季のバンコクのような雲と空の色、湿った空気の匂いがする。ふと、20年近く前にバンコクに3週間出張した時のことを思い出した。

 

 

 経験的に、現地滞在5日以上の場合、ホテルよりもサービスアパートメントをウィークリーで借りた方が安い。方々探してサトーン・タイ通りから一本裏路地に入ったところに手頃なサービスアパートメントを見つけた。ちょうど高層階の良い部屋が空いていると言う。会社の推奨宿泊先ではなかったが、そこは下々の経費にはやたら厳しい日本の会社だ。ホテル滞在より大幅に安いと書いて例外申請したところすぐに認められた。

 

 古びているが重厚で清潔な木の家具と内装の室内。近くに欧州の大使館が多く、その立地の良さから長期滞在の欧州ビジネスパーソンが多かった。大型ホテルのようなぞめきはなく、スタッフの気配りも行き届いていて、賃貸住居レジデンスのように居心地が良かった。レストランはなかったが、1階に昼間はカフェで夜はバーとなる小さな店があった。そこをオフィス代わりに仕事しながらも昼間からタイ人の女の子を横にはべらせているベルギー人のおっさんがいた、と変なことまで思い出した。

(恥ずかしい+1)

 

 部屋のエアコンが効き過ぎていたため、時々エアコンを止めていた。たちまちカビの臭いが部屋中に充満する。慌ててエアコンを全開にすると匂いもすぐに収まる。遂には仄かなカビの匂いすら心地良く感じられるようになった。20年前にFor Rentがリリースされていたなら毒カビで死んでいたかも知れない。

 

 平社員に送迎など付く訳もなく、毎朝(と言っても晴れの日だけだが)、玄関前に並んだ送迎用のベンツ/BMWの間を通り抜けて、オフィスまで歩いて出社した。

 

 近くの路上に、いつも野良犬が5匹ほどたむろしていた。サービスアパートメントを出て路地を歩いていると、野良犬達がヒタヒタと後を追ってくる。何か気配がするので振り返ると、犬達もピタッと立ち止まる。「バレたか」と言わんばかりの表情と姿勢。これを何回か繰り返す。だんだん尻尾の振れが大きくなり、静止する姿も前足を下げて「伏せ」に近づいていく。遊んで欲しい時の姿勢だ。

 

 ホテルのスタッフに聞いたところ、完全な野良ではなく、近所の人達が外飼いレベルで接しているという。狂犬病の予防接種なんかしていないから、もし噛まれたら近くの病院を紹介するので言ってねー、とマイペンライ調で返ってきた。

(陽気+1)

 

 結局、犬達の無邪気さに心惹かれ、毎朝ダルマさんが転んだ遊びをしながら出社した。会社に着けば、不安と恐怖、怒りのバフで溢れかえる。ここで噛まれた方がマシと思ったこともある。そもそも出張に行かされるのは現地で大幅な進捗遅れか回復困難な問題が発覚した時ばかりだった。

(怒り+1)

 

 チェックアウト時に、挨拶に出てきたタイ人の女性支配人にこの話をした。滞在中の全てのチップに相当する額を入れた日本のポチ袋[1]を渡しながら「犬達にも何か買ってあげて」と言ったら、彼女は吹き出した。「分かった、約束する。高級ブランドのドッグフード買ってあげる」

 

 外国人向けのスーパーに行くと、確かに人間が屋台で食事するよりも高価なドッグフードを売っている。果たして、あの犬達は束の間のセレブ犬になれたのだろうか。

(幸せ+1)

 

 

[1] ポチ袋は受けが良かった。今はクレジットカードの伝票にチップを記載する欄があり、これを使うのが一般的だろう。当時も(恐らく今も)長期滞在時にスタッフ個人に直接現金を渡すのはトラブルの元と言われていた。個人対個人でチップをやり取りしないといけないのは、アメリカ位だろう

 

またセールが始まったが

 EA appでセールが始まった。steamでもやっているようなので、元はEAだろう。前回のセールが終わって1ヶ月もたっていない。中国市場も酷い状況のようだし、値上げで急に売れなくなって「このままでは4-6月期の売り上げが計画未達だ」と焦っているのではないか。

 

 犬といえば、SIMS4の拡張パックCATS and DOGは未所有。本当は欲しくて仕方がないのだが、ノートPCにこれ以上の負荷をかけたくない。前回のセールでは、殺人ニワトリとラマに惹かれてCottage Livingを危うく買いそうになったが、なんとか踏みとどまった。果たして今回も耐え切れるだろうか。

 

セールの度に試練が始まる。

 

(了)