「お忙しいのにすみません・・・ラジオを探しているのですが。」

と、声をかけてきたのは60代と思われるくらいの夫婦。


たぶん四方八方からの「すみまーせん」という声に囲まれて、

バタバタとお客様に対応する私の様子をしばらく見ていたんでしょう。


「本当にお忙しそうで大変ですね。」

といきなり気を使われてしまったのであります。



話を聞くとけっこう山に囲まれた地区に住んでいるらしく、

ちゃんと電波の拾えるラジオを探しに来たらしいんです。

あまり街に出る機会は少ないそうで

お客様にあふれかえる売り場の様子に戸惑ってしまい、

声をかけるタイミングを探してたようです。


待っている間にほとんどどれにするかは決まっていた様子。

値札プレートにある製品表示などもしっかり読んで比較済み。

質問された事もほぼ要望にマッチしたモノで、

それ以上の突っ込んだご案内は必要無いくらいでした。


旦那さんの方がけっこうこだわりたいタイプみたいで、

悩んでいると奥さんが

「コレがいいじゃない。忙しいのに時間かけすぎよー」

私に「すみませんねー」


私「いえいえ、気を使わないで納得できるモノ選んでください」

とまぁ、当然の発言。


旦那さん「やっぱりコレがいいかなぁ」

奥さん「これ以外で何で迷ってるのよ」

旦那さん「部屋に置いたときの大きさがどうかなぁ」

奥さん「今使ってるモノより小さいじゃない」

旦那さん「そうだよなぁ・・・」

奥さん「色もいいと思うわよ」

旦那さん「俺も色はいいと思ってたんだ」


会話のテンションで夫婦仲良しな感じ伝わってきました。

どっちかと言うと奥さんがリードしている感じでしょうかね。

でも会話のやり取りが長年の付き合いを感じさせます。

結局その商品に決めました。



そのままレジ入るとAMEXゴールドカードでお支払い。

うーん。

ラジオでだいぶ迷ったわりにお金の余裕はあったのね。

堅実なのは大切です。