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給湯器の点検を高齢者に持ち掛ける悪質情報の相談が急増していて、国民生活センターが注意を呼び掛けている。
「イット!」が独自入手したのは、悪徳業者とみられる相手からの電話の音声。
オペレーター「私、給湯設備お客さまサポートセンターの○○と申しまして。法定点検になっておりまして、給湯器の設置から5年から10年に一度の、義務化された点検のご案内になります」
電話を受けた男性「5年から10年...まだ家建って新しいんですけど。まだ5年も経過していないんですけど」
オペレーター「給湯器をご購入いただいた際の情報を基にご連絡させていただいておりますので、何か...そうですね...」
もっともらしい説明をしながらも、築3年の家だとわかると言葉に詰まった女性オペレーター。
電話を受けた男性「これはどちらから依頼されているんですか?」
オペレーター「どこの代理店さまからの依頼か、というのは、私の手元の資料だけでは判断できかねます」
電話を受けた男性「うん、なんか信用できないな」
電話を受けた男性によると、ほかにも大きな矛盾点があった。
電話を受けた男性「ガスの給湯器の点検という話だったんですが、うちはオール電化の住宅なのでガスの給湯器はないですし、不信感しかなかったです」
これは、詐欺につながる悪質商法なのではないか...。
電話を受けた男性「会社名はどちらでしたっけ?」
オペレーター「会社名は“給湯設備サポートセンター”となってまして...」
「給湯設備サポートセンター」を名乗る女性オペレーターからの電話。
女性は、「法定点検を販売代理店から委託された」と説明するも、「どの代理店からの依頼かはわからない」と話が矛盾。
さらに、法定点検の時期にもおかしな点があった。
オペレーター「(点検は)だいたい5年から10年に一度になっております」
電話を受けた男性「5年から10年...。まだ家建って新しいんですけど。まだ5年も経過していないんですけど」
この電話の直後、男性がハウスメーカーに問い合わせると、相手のうそが明らかになった。
電話を受けた男性「設備の点検があったとしても、委託業者からではなく、最初はハウスメーカーから電話しますって話だったので」
ハウスメーカーは、業者への依頼を否定。
詐欺の手口などにくわしい多田文明さんは、詐欺につながる悪質商法の可能性が高いと指摘する。
詐欺・悪質商法ジャーナリスト 多田文明さん「これ自体が詐欺というわけではなくて、『丁寧な電話だから無料で点検してくれるんだな』と思って呼ぶと、家に来た訪問業者が非常に悪質な業者」
国民生活センターによると、無料点検のあとに「給湯器が劣化していて火災のおそれがある」などと迫り、およそ40万円の契約をさせられたケースもあったという。
特に被害が多いのが、70代以上の高齢者。
今回のケースも、同様の高額請求を狙ったものなのか。
業者に電話し、直撃取材を試みた。
詐欺・悪質商法ジャーナリスト 多田さん「ツーツーツーと話し中になって、電話に誰も出ない」
何度かけても、呼び出し音すら鳴らない状態だった。
多田さん「電話をかけても通じないということで、悪質業者の可能性が非常に高まった」
国民生活センターは、たとえ無料といわれても安易に点検を受け入れず、最寄りの消費生活センターなどに相談するよう注意を呼び掛けている。
