横浜市の路上で、男性が刃物のようなもので刺され死亡した事件で、タイ国籍の53歳の男が逮捕されました。犯行時の映像には、複数人が大声を出しながら激しくもみ合う様子が映されていました。

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「いいからやめろ!やめろ!この野郎!」

2日夜、横浜の繁華街に響き渡った男性の怒鳴り声。

「やめろ、お前ら!わかったか!」

「イキがってんじゃねえぞ、ばか野郎」

「いいからやめろ」

興奮は収まらず…

「わかったか?わかったか?」

オレンジ色の服の男の頭をつかみ、取っ組み合いのケンカに。すると、オレンジの服の男の手には刃物のようなものが…

この直後、男性が刺されたのです。

「血が出てる、誰か!」

「刃物で刺したな!」

「早く! 救急車だよ!!」

刺された男性はその後、死亡。警察は殺人の疑いで、タイ国籍の飲食店従業員、クワンキサロート・ルンロー容疑者を逮捕しました。

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警察によりますと、事件があったのは2日午後7時半すぎ。

110番通報
「通行人同士のトラブルがあったようだ。刃物を持っているようだ」

飲食店などが立ち並ぶ横浜市の繁華街で発生しました。

目撃者
「とにかくケンカの延長上みたいな。蹴るというよりは手を出されている感じが多かった。声もすごかったんですよ。かなり強い口調で『ふざけんな!』とか言う形で。4~5人の日本人がいて、タイ人の従業員が2人いて」

発端は複数の日本人とタイ人によるケンカだったといいます。いったいどうしてトラブルになったのでしょうか。

男性が刺された現場のすぐ目の前には、タイ料理店があります。店のホームページによると、営業中だったとみられます。

死亡した男性のグループが通りかかると、店の前にとめてあった自転車を蹴って、従業員のルンロー容疑者らとトラブルになっていたというのです。(目撃情報による)

容疑者を知る人
「もめているのは自転車1台だけだよ。(男性が)酔っ払ってぶん投げたの」

その後、口論になったきっかけは…

容疑者を知る人
「タイ人だから国帰れとか言われたの。もめてケンカしちゃうじゃん。(ルンロー容疑者は)やさしいよ。普通、ケンカしないもん」

ルンロー容疑者は、刃物のようなもので男性1人を刺したとして、殺人の疑いで逮捕。もみ合った別の男性3人もけがをしました。

目撃者
「道の真ん中に1人倒れていて、血だらけで。ほかに2人刺された人間が。1人は血だらけだったんだけど、もう1人はそんなに血が出ていなくて」

事件後、刃物を持ったまま、その場を離れようとしたルンロー容疑者。しかし…

目撃者
「お店の中にタイ人がいるんだけど、『あいつです、あいつです!』って警察に言ってました」

警察官が駆けつけると、店内にいたというルンロー容疑者。調べに対し「お店の厨房にいたので何もわかりません」と、容疑を否認しているということで、警察が事件の経緯を詳しく調べています。






2日夜、横浜市の繁華街の路上で3人が刺され、1人が死亡、2人がけがをしました。警察は殺人事件を視野に捜査しています。

■事件直後の映像…横たわる男性のそばに警察

 現場の近くにいた人:「倒れていたのは1人。あと2人は刺されたか知らないが、1人は心肺停止だと。大声が聞こえて走ってきたら、そういう状況だった」

 事件は3連休を控え、多くの人でにぎわう繁華街近くの路上で起きました。

 現場は、山下公園からおよそ1.5キロ、伊勢佐木長者町駅と黄金町駅のほぼ中間あたり、商店街から北側に1本入った場所です。

 事件直後の映像です。画面手前には、刺されたとみられる男性が横たわり、警察が付き添っているのが分かります。

 警察が駆け付けた後も、言い合いを続ける男たち。

 警察によりますと、2つのグループ同士が、路上で何らかのトラブルになったといいます。

■自転車倒れトラブル? 目撃者「ボコボコに…」

 けんかを目撃した人:「タイの店の前に自転車が止まっていて。倒した日本人5人組と店から出てきた2人が殴り合った。店の横で刺したと聞いている。自転車を倒したから怒ったという」

 タイ料理店の前に止めてあった自転車を日本人のグループが倒したことをきっかけに、タイ人数人とのけんかが始まったと、多くの目撃者が証言しています。


 けんかを目撃した人:「取っ組み合いのけんかが、日本人が4、5人いて、タイ人が2人。タイ人に殴りかかっていた。かなり手を出していて、ボコボコにされていた」「ぐちゃぐちゃしている中で、キラッと光るものが見えて、あれっと思ったら、ナイフなのか、包丁なのか、それを振り始めて反撃し始めた。(倒れた男性は)ぴくりとも動かなかった。苦しんだり、のたうち回ったり一切なく、うつぶせのまま。運び出されるまで、一切動かなかった」

■“仕方なく反撃”厨房に戻って包丁を持ってきた?

 近くで働くタイ人は、日本人グループが執拗(しつよう)に暴行を加えたことから仕方なく反撃したのではないかと主張しています。

 近くで働くタイ人:「自分を守らなかったら死んじゃうかもしれない。2人だけで、相手は5〜6人。店の人が結構やられたみたい。髪の毛をつかまれてボンボンボンと(殴られた)。わずかな時間があって、厨房(ちゅうぼう)に戻って、包丁持ってきて、こうやったらしい」

 警察は、事情を知っているとみられる男性を任意同行して、殺人事件の可能性を視野に捜査をしています。

(「グッド!モーニング」2023年11月3日放送分より)