台風13号による記録的大雨で8日夜に茨城県の日立市役所が水没、停電した浸水被害は、すぐ脇を流れる川の水が駐車場部分の暗渠(あんきょ)(地下水路)に入る手前で越水していた。2本の川の合流部分にも当たり、専門家は「河川の合流部や暗渠の手前は水があふれやすい」と指摘。付近の住民たちも以前から水害を心配していたという。今回は市役所の下流側にある家屋も多数浸水し、不安が現実になった。(長崎高大)

 現在の市役所は、東日本大震災で損傷した前庁舎を教訓に、防災機能を強化し2017年に完成した。建て替えに伴い、庁舎の西側約30メートルを流れる数沢川は、市役所の敷地に入る部分が暗渠化され、上部は市役所の駐車場になっている。暗渠の手前は数沢川と平沢川の合流部にもなっている。

 こうした住民の声に対し、河川の管理などを担う市都市整備課の担当者は「川を暗渠化する場合は水が詰まるのを防ぐため、一般的に川幅や高さは元よりも広く造る。数沢川の暗渠部分も広くなっている」と説明する。

 ただ、今回は想定を超える降雨量だったことから、担当者は「仮に暗渠化していなかったとしても、川のどこかではあふれていた可能性が高い」としたうえで、「地下部分で詰まって、その直前であふれた可能性もある」と話した。

 市役所は災害時には対策本部が置かれる重要な施設だが、今回はあふれた水が地下に流れ込み、電気設備が水没して9日夕まで停電が続き、防災拠点としての機能が果たせなかった。

 市役所のすぐ近くが水害が発生しやすい場所になっている点について、河川防災を研究する筑波大の白川直樹准教授は「計算以上の水が流れた場合、暗渠の手前は水があふれやすくなる。絶対にあふれてはいけない場所では避けた方がいい。市役所をつくる場合そのリスクも考えるべきだ」と指摘する。

 一方で、平地が少ないという日立市の地形的な特徴にも言及。「理想を言えば、想定を超える雨が降ったとき、どこにあふれさせれば被害が抑えられるかまで考えるべきだが、日立の場合は山と海が近く、田んぼなどに水を逃がすことが難しい事情もあると思う」と話した。


①川には段差があって、それが川の合流地点より暗渠側にある。その影響があったのではないかと思われる。

②日立市役所建設によって川の護岸工事によってより狭くなったと言う声もあった。数沢川。また、マルト平沢方面にある市役所前の橋でやや左カーブとなっているので、その影響があったに違いないと思われる。

③市役所前の川の深さが足らなかったことも考えられます。

④市役所側に氾濫防止のため堤防を造らなかったのも影響があったと思われます。

④市役所の駐車場の高さと出入口まで道の問題があると思う。この部分を高くしていたなら、どうであったのか。そして分散されていた業務の集約のために新庁舎へまとめたために建物を大きくしなければならなかったが、7階建てより10階建てにして、フロアスペースを狭くすればよかったのかもしれない。その分を川の暗渠部分を大きくして、なるべくなら曲がらないように真っ直ぐ国道6号へ向けるべきだったのかなと思うところであります。

⑤市庁舎の防水工事は必要ですね。