宮内庁は14日、宮内庁職員などを名乗る「献上依頼」に対する注意喚起をホームページに掲載した。

 宮内庁によると、宮内庁に実在する部局を名乗り、皇室に献上するとして文書で物品の提供を依頼し、提供を受けた後に皇室に献上した旨の記載がある看板のようなものを渡す事案があったとの問い合わせを今月、受けた。問い合わせをしてきた人物は現在、警察に相談しているという。物品の中身など詳細は明かさなかった。

■一般への依頼は「ない」

 宮内庁は、宮内庁または宮内庁職員が皇室への物品の献上を一般の人に依頼し、献上を受けて看板のようなものなどを渡すことはない、としている。

 宮内庁は「まさに今(同様の話を)受けている人や、これから受ける人が出てくるかもしれず、できるだけ早く注意喚起のお知らせをしたいと思った」と説明。「十分に注意し、必要に応じて宮内庁、地元の警察などにご相談下さい」と呼びかけている。(多田晃子)





 車のバッテリーが上がり、インターネット広告で「基本料金3千円」とうたう業者を呼んだら、8万円を請求された−。そんな緊急ロードサービスの高額請求トラブルが、全国で増えている。遠出の機会が増える夏休みを前に、兵庫県消費生活総合センターは「ネット検索で上位に表示される業者が優良だとは限らない」と注意喚起。多くの自動車保険(任意)にはロードサービスが付いており、まず自身が契約する保険会社に連絡することを勧める。

 スマートフォンで「バッテリー 上がった」などと検索すると、車のトラブル解決をうたう業者のサイトがずらりと表示される。「格安」「最速」など安さ、早さをPRする内容が目立つ。だが、記事タイトルの上をよく見ると「スポンサー」の文字があった。

 「それらはリスティング広告と呼ばれ、検索ワードと連動して表示される。あくまでも広告であるということを分かって見ることが大切だ」。同センターはそう指摘する。

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 県内の消費生活相談窓口に寄せられた緊急ロードサービスに関する苦情相談は2020年度に22件、21年度に28件だったが、22年度は43件に増えた。23年度も6月末時点で13件と前年度並みのペース。中でもバッテリー関連の相談が多く、22年度は前年度比5倍超の23件だった。多いのは、ネット広告を見て呼んだ業者とのトラブルだ。

 車のエンジンがかからなくなった20代女性は、ネット検索で見つけた業者に連絡。「充電が5分で5千円」と説明を受け、バッテリー上がりなら5分で回復するだろうと思って依頼したが、30分充電してもエンジンがかからなかった。結局、その業者は修理できなかったが、30分間の充電代や他の点検費用として7万円を請求された。


 別の20代男性は夜間に自宅でバッテリーが上がり、「3千円から」「業界最安値挑戦中!」「気軽にキャンセルできる」というネット広告を見て電話。自宅に来た業者から「夜間対応費と作業費で7万円。修理しなくても緊急対応費2万円が必要」と言われた。現金がないというと、近所のコンビニのATMに連れて行かれたという。

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 クーリングオフの対象は通常、訪問販売や電話勧誘などに限られる。だが自ら業者を呼んだロードサービス契約でも、依頼した修理以外の作業があった場合、対象になり得る。同センターは「事前の説明以上の高額請求をされた場合、諦めずに消費生活相談窓口に電話してほしい」とする。

 こうした「今すぐどうにかしたい」という焦りにつけ込む手口は、実は水道やトイレの詰まりを修理する業者との高額請求トラブルに似通っている。「水道 詰まった」で検索すると、同様に「安い」「最短」をうたう業者のリスティング広告が並ぶ。

 兵庫県消費生活総合センターは、車のトラブルで焦り、冷静な判断ができない事態を避けるには「あらかじめ契約する保険の内容を確認し、信頼できるロードサービスを確かめてほしい」と呼びかける。同センターTEL078・303・0999(金 慶順)