住宅街の裏山で異音が確認され地滑りの恐れがあるとして、呉市広塩焼地区では26日から一部の地域で避難指示が出されています。今回の避難指示は住民からの「山から異音がする」という通報から始まりました。


今回は、土砂災害の「前兆現象」に注目します

土砂災害を発生させる現象には、主に「地すべり」「がけ崩れ」「土石流」の3つの種類があります。これらが発生するときには何らかの前兆現象が現れることがあるんです。

【地すべり】
(特徴)
斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によって、ゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が多いため甚大な被害が発生。
(主な前兆現象)
・地面がひび割れ・陥没
・がけや斜面から水が噴き出す
・井戸や川の水が濁る
・地鳴り・山鳴りがする
・樹木が傾く
・亀裂や段差が発生

【がけ崩れ】
(特徴)

斜面の地表に近い部分が雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、逃げ遅れも発生しやすい。
(主な前兆現象)
・崖にひび割れができる
・小石がパラパラと落ちてくる
・崖から水が湧き出る
・湧き水が止まる・濁る
・地鳴りがする

【土石流】
(特徴)
山腹や川底の石・土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。
(主な前兆現象)
・山鳴りがする
・急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
・腐った土の匂いがする
・降雨が続くのに川の水位が下がる
・立木が避ける音や石がぶつかる音が聞こえる

26日も呉市の山から異音がするという通報があったわけですが、いつもと何かが違うな、違和感、気づきが重要です。こうした前兆現象に気づいたら周囲の人に声を掛け合い、いち早く安全な場所に避難することが大切です。

土砂災害から身を守るために知っておきたいポイントを3つご紹介します

(1)住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」か確認。普段から自分が住んでいるのは危険性のある地域なのかハザードマップなどを参考に避難場所や避難経路を確認しておく。

(2)雨が降り出したら「土砂災害警戒情報」に注意。都道府県と気象庁が共同で発表するもので警戒レベル4に相当する。これをしっかり見てください。

(3)警戒レベル4で全員避難。土砂災害警戒情報は警戒レベル4相当の情報になります。紫色の警戒レベル4を見たら、避難をするということを忘れずに覚えておいてください。





 




 




 




 




 




 






南海トラフ地震、東海地震、静岡県の活断層や富士山などの活火山で火山性地震、火山性微動による崩壊、亀裂などで、今回のような災害がまた起こらないのか。
複合災害、連続災害の危険性は?
この不適切盛り土や不法投棄は静岡県だけの問題ではないのだ。
 


 静岡県は28日、不適切な状態で造成されている県内163カ所の盛り土を公表した。周辺地域向けの周知にとどまっていたが、ホームページ(HP)による開示に転換した。熱海市で起きた不法に造成された盛り土を起点にした土石流災害を教訓に、詳細な情報を公開することで県民全体での認識や新たな不適切行為の抑止につなげる。

 今回、HP(https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/tochiriyou/1041004/1053688.html)で一斉に公表された不適切盛り土は、届け出通りに造成されていない不法な盛り土や排水環境が整備されていない盛り土など。一昨年7月の熱海土石流災害を契機に着手した「盛り土総点検」や昨年7月に開設された「盛り土110番」に情報が寄せられた207カ所のうち、必要な是正工事が完了した44カ所は除かれた。

 市町別では清水▽吉田▽川根本▽袋井▽磐田▽森▽湖西の7市町を除く28市町に点在。首都圏に近い富士山の周辺に集中しており、沼津、富士、富士宮の3市では20カ所を超えた。

 公開情報では、盛り土ごとに地番や位置図を示して所在地を明らかにしたほか、熱海土石流の起点に造成された盛り土や静岡市葵区の杉尾、日向両地区の大規模盛り土など、緊急性が高いとされる「谷埋め盛り土」(8カ所)や「腹付け盛り土」(96カ所)、「平地盛り土」(53カ所)、「不詳」(6カ所)に分類した。

 その他、行政による対応状況として、是正指導に応じて不安定土砂の撤去などを実施して安定性を高めている盛り土を「是正工事中」(8カ所)と注記したほか、是正を視野に詳細調査を実施している盛り土を予定中も含めて「詳細調査」(10カ所)とした。

 県職員や市町職員による定期パトロールで、監視を続けている盛り土は「定期監視中」(145カ所)と記した。

 県盛土対策課はリスク評価で「特に緊急性が高い」とされた箇所については行政代執行で安全対策工事をするなど「必要な対策に着手している」と説明。「土砂が崩壊するなど人的・物的な被害が直ちに及ぶような盛り土は確認されていない」と強調している。

 また、記録的な豪雨などで土砂災害の恐れがある場合に住民が早期に避難できるように市町に避難計画の策定を求めている。

 望月満課長は「対策は早期発見と早期対策が鉄則。県民が監視役になれば、不適切盛り土を減らせる」と抑止効果に期待する。

 盛り土に使われた土量や高さなどの情報はなく、地権者の個人情報も省いている。県は情報の随時更新を予定している。(床並浩一)