関東など各地で相次いでいる強盗事件で、同一グループの関与が疑われる強盗や窃盗などが昨年以降、14都府県で発生していることが警察庁への取材でわかった。新たに群馬、岡山、福岡県などで被害が判明した。警察庁は27日、14都府県警と捜査会議を開き、情報共有と連携を強化する。

 警察庁の露木康浩長官は26日の記者会見で、「首謀者の検挙が重要だ。緊密な連携のもと、迅速な捜査を進める」と述べた。

 捜査関係者によると、事件の共通点は、SNSで高額報酬をうたう「闇バイト」の募集に応じた実行役が、複数人で住宅や店舗に押し入り、住人を縛るなどして金品を奪う手口だ。「ルフィ」や「キム」などと名乗る指示役がフィリピンから通信アプリ「テレグラム」を通じて指示を出している可能性がある。

 警察庁によると、昨年10月以降に東京、茨城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、広島、山口8都県で発生した14件の強盗事件は、「ルフィ」ら同一グループが関与したとみられる。各地の警察はこれまで10〜30歳代の実行役ら三十数人を逮捕し、解明を進めている。

 また群馬、滋賀、京都、大阪、岡山、福岡6府県で起きた強盗や窃盗なども、類似する手口などから、同一グループが関与した疑いがあるという。

 東京都稲城市の強盗致傷事件で逮捕された男2人は、中野区の強盗致傷と、広島市で先月21日に起きた強盗殺人未遂にも関与した疑いがあるという。中野区の事件の別の容疑者1人は、東京都狛江市で今月19日に起きた強盗殺人事件で逃走用に使われたとみられるレンタカーに乗っていた。

 警察当局は強盗グループが実行役のメンバーを入れ替えながら広域で強盗や窃盗を繰り返しているとみており、合同捜査本部を設置するなどして指示役や首謀者の捜査を進めている。