日本遺産 地域の活性化へつなげるには2022/02/21 05:00 

読売新聞

 地域の活性化や観光振興につなげるという当初の目的は果たされていないのではないか。看板倒れに終わらないよう、国と自治体の双方が知恵を絞らねばならない。

 文化庁は2015年、地域に点在する文化財を有効活用するために「日本遺産」事業を創設した。自治体からの申請に基づいて、歴史的建造物や名勝地、祭りなどを合わせて認定する仕組みだ。

 国宝や重要文化財のように個別に指定するのではなく、一つ一つの価値は分かりにくくても、地域に即した物語として発信することを目指している。これまで104件が認定されている。

 例えば、長崎県の4市町にまたがる「国境の島 壱岐・対馬・五島」は、大陸との橋渡し役となってきた島々に焦点を当てた。四国の57市町村に及ぶ「四国遍路」は巡礼文化をたどる遺産だ。

 当初は日本遺産のブランド力を高めることを目的に認定数を約100件にとどめるとしていたが、期待した効果は表れていない。

 このため、文化庁は昨年、活動内容を再審査し、取り組みが不十分と判断した場合は認定を取り消す仕組みを導入した。自治体の取り組み次第で日本遺産に追加認定する制度も設けた。

 初年度認定した18件のうち4件は、自治体と民間の連携などが不足しているとして、3年後に改善が見られなければ取り消しもあり得ると警告した。

 文化庁には日本遺産のレベルの底上げを図らなければ、事業の存在意義が問われかねないという危機感もあったのではないか。

 20年1月に文化庁が行った調査では、「認定遺産を知っており、制度も理解している」と答えた人は1割強にとどまった。約3割は日本遺産という言葉を聞いたことがないと回答した。

 認知が進んでいないのに、制度を変えるだけで成果を上げるのは難しい。周知に向けて観光庁などとの連携を強化すべきだ。

 認定地域は一定期間、国の支援を受けられるが、その後は自前の予算での取り組みが求められるため、事業継続が難しくなる自治体もあるという。自治体に助言する専門家の派遣を増やすなど地道な対応が必要だ。

 自治体も認定をゴールと考えるべきではない。問われるのはその後の集客努力だ。

 宿泊施設や、遺産を効率良く回るための交通網を整備し、訪れた人が「また来たい」と思えるよう工夫をこらしてもらいたい。





里山から産業革新を 兵庫・丹波地域の「シリ丹バレー」推進協発足 内外から産官学民の人材集める2022/02/20 11:00 神戸新聞

 アップル、グーグル、メタ(旧フェイスブック)など、名だたるIT企業が集積する米国シリコンバレー。その名をもじったプロジェクトが兵庫県丹波地域で2022年度から本格化する。のどかな里山風景が広がる丹波で、ITは一見縁遠いようだが、丹波県民局が描く構想は壮大だ。内外から産官学民の人材を集め、「地域発のイノベーション(革新)」を起こしたいという。(藤森恵一郎)


 名付けて「シリ丹バレー」プロジェクト。多様で優秀な人材、技術、資金が集まり、新しい企業やビジネスが次々と誕生するシリコンバレーのような環境を理想に掲げる。

 人口減少と高齢化が進み、地域経済の疲弊、空き家の増加など問題が山積する丹波地域。一方、新型コロナウイルスの流行で、時間や場所にとらわれない新しい働き方や暮らし方が広がり、地方回帰の流れが強まっている。特に、神戸や大阪などに近く、自然豊かな丹波は、移住先としても注目を浴びている。

 「この機を生かし、丹波の産官学民が一体となって、異質な人同士の出会いや交流を促し、イノベーション創出に取り組みたい」と、同県民局の地域再生専門官北田智広さんは力を込める。

 17日には、プロジェクトの旗振り役となるシリ丹バレー推進協議会の設立総会が丹波の森公苑(丹波市柏原町柏原)であった。事務局となる同県民局をはじめ、丹波篠山市と丹波市、両市の商工会、地域団体などの代表ら約45人が顔をそろえた。

 2030年初頭の目標に「活力ある持続可能な地域社会の形成」を設定。実現に向け、産官学民のネットワーク形成▽地域資源を生かしたビジネスの立ち上げ▽空き家や廃校の活用−などに取り組むことを確認した。


 具体化のため、同県民局は22年度当初予算案に641万円を計上。協議会で地域課題の共有、事業の検討・企画に当たるほか、丹波地域での起業や課題解決などの事例をウェブで発信。プロジェクトに関心を持つ起業家や移住者、地域住民らを対象にしたセミナーも開く。都市部の企業から広告・マーケティングなどの分野に精通した副業人材を採用するなど、起業の支援体制も整える。

 協議会の代表幹事に就いた丹波市商工会の篠倉庸良会長は「新しいイノベーションを起こすべく、幅広く地域の皆さまの意見を吸収しながら、積極的に企画立案をし、役目を果たしたい」と述べた。














放置しすぎで家の外壁がハゲる⁉ 塗装がはがれる前兆を解説2022/02/16 19:00 

ARUHIマガジン
ほとんどの外壁塗装は、20年以上で剥がれやすくなります。触ったり、物が当たったりしたときはもちろんですが、雨や風など、わずかな刺激で勝手に剥がれ落ちることもあります。古いお家やアパートなどの外壁の塗装がひび割れて、剥がれ落ちているのを見たことがある人も少なくないのではないでしょうか?

自分の家の塗装が剥がれるのを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。塗料が剥がれ落ちる原因から、その対策について紹介していきます。

家の壁の塗装が剥がれる原因

くの塗料は10〜20年ではがれる危険性が高まる(画像素材:PIXTA)

家の壁の塗装が剥がれるのは、外からの刺激による塗料の劣化が原因です。ここでいう外からの刺激とは大きく3つ考えられます。

紫外線…塗料の成分を分解しボロボロにする
振動・伸縮…気温や湿度によって起こる壁材の伸縮や、日常生活で起こるわずかな振動によって、細かい亀裂ができる
雨水…紫外線や振動・伸縮によってできた隙間や亀裂に入り込み、劣化を進行させる

こうした外からの刺激により、多くの塗料は10〜20年ではがれる危険性が高まるほど劣化が進んでしまうのです。

塗料の劣化が軽微であれば、塗装の塗り直しを行うだけで済みますが、致命的な劣化の場合は壁の張り替え等の対応が必要になる場合もあります。

ちなみに、屋根に施された塗料は、外壁より紫外線や雨水にさらされやすいため、劣化の進行速度も速いです。外壁塗装の劣化に気が付いたときは、屋根の塗装も劣化していないか確認するのがおすすめです。

塗料が剥がれる前に現れる劣化症状

塗料は少しずつ劣化していきますが、剥がれるまでにはいくつかの劣化症状が出ることが多いです。機能的に問題がない劣化もあるので、どの程度からどんな対応をするべきか知っておきましょう。

壁を触ったら粉がつく「チョーキング」が起こった場合は、すぐに塗り替えをするのがおすすめですが、濃い色の塗料を使っている場合などは劣化してもチョーキングが起こりにくいことがあります。そのため、10年〜15年ほど経ったら、まだ「チョーキングしていないから平気」と思わず、塗装業者に診断してもらうのがおすすめです。

塗料の劣化を放置してはいけない理由

塗料が劣化していたら、すぐに塗り替えをするのがおすすめです。しかし、「劣化とはいえ、塗装だけなら放置しても構わないのでは?」と思った人もいるのではないでしょうか?

実は、塗料の劣化を放置すると、最悪の場合、家そのものの強度や耐久性を落とすことになりかねないのです。

具体的に起こるリスクを3つ紹介します。

1. 雨漏りが発生する

実は、外壁材は塗料で保護(コーティング)をすることを前提に作られているので、塗装なしでは雨水などに浸食されて雨漏りを起こしやすくなります。雨漏りが起きてしまうと、家財が濡れたり、家の耐震性が下がったりといった被害につながります。

2.家の見た目が悪くなる

外壁は家の見栄えを左右する大きなポイントの一つです。その塗装が劣化していると、家は古ぼけて見え、印象が悪くなります。

3.修理費用が高くなる

簡単な補修であれば数万円、塗り替えは100万円前後で可能ですが、傷んだ外壁材の張り替えとなると200万円〜300万円かかるケースも多いです。実際にはこまめに塗装をしておいたほうが、長期的なメンテナンスのコストを抑えられます。

外壁塗装を長持ちさせる方法

外壁塗装は10〜20年で劣化するとはいえ、できるだけ長く、綺麗で安全な状態を保ちたいですよね。

塗装を長持ちさせるには、こまめなセルフメンテナンスと塗料選びが重要です。

1. 定期的に掃除する

外壁の汚れ(ホコリや苔・藻、カビ等)を放置すると、汚れが塗装に浸食したり、汚れによって塗料自体が持つ保護機能を阻害したりなどすることから、劣化が早まります。年に1〜2回を目安に、洗車用など柔らかいスポンジを使い水で優しく汚れをこすり落としましょう。

2. 高圧洗浄を行う

スポンジで落ちない汚れや手が届かない場所の汚れには、高圧洗浄がおすすめです。高圧洗浄機は外壁だけでなく、玄関やベランダの汚れ掃除などにも便利です。高圧洗浄を行う場合は、同じ場所に強く当てすぎないよう注意しましょう。

3. 耐久性に優れた塗料を使う

最初から耐用年数が高い塗料を選んでおけば、メンテナンスまでの期間を長くすることができます。ただし、耐用年数が高い塗料は、費用も高くなる傾向があります。

塗り直しが要らない外壁(メンテナンスフリー)はある?

「こまめに塗り直すのが面倒くさい」「定期的に塗り直しなどの費用がかかるのを避けたい」という人は多いのではないでしょうか。

しかし、言葉通り「メンテナンスフリー」の外壁材や塗料は、今のところ存在しません。どんな外壁でも、雨風にさらされることで塗装や外壁材が劣化してしまうからです。

工務店や業者などが「メンテナンスフリー」と言うときは、「塗り替えなどのメンテナンスの頻度が少ない」という意味で、「全くメンテナンスが必要ない」という意味ではないのです。

そのため、塗り替えの頻度を少なくしたり、費用を安く抑えたりするためには、前述したようなセルフメンテナンスや塗料選びが重要です。

まとめ

外壁の塗装が剥がれるのは、塗料が経年劣化した結果です。完全に剥がれてしまう前に劣化の兆候を見つけ、塗り直しなどのメンテナンスを行いましょう。

塗料の劣化を放置していると、見栄えが悪いだけでなく、劣化が進んで家全体の耐久性が下がってしまいます。また、劣化が重篤になってからメンテナンスを業者に依頼すると、軽微なメンテナンスに比べて費用が高くなる傾向があります。

塗料の劣化を防ぐには、こまめに汚れを落とすほか、耐久性の高い塗料を使うといった対策が効果的です。




「値上げラッシュ」乗り切る4つの極意…モノ不足、資源高、円安の三重苦でも役立つ2022/02/22 09:26  日刊ゲンダイDIGITAL

 2022年は、昨年以上にさまざまなモノの値段が上がる。理由は、モノ不足、原油や天然ガス、石炭などの資源高、円安の3つだ。

 コロナ禍とはいえ、徐々に世界経済は動き出し、需要が回復してきている。一方、工業製品や農作物は供給が追いつかない。世界的にモノ不足状態だ。

 原油高は、産油国が原油増産になぜか消極的なことと、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化がある。ロシア産天然ガスの依存度が高いEUが、エネルギー資源の確保に躍起で、これらが資源高の背景にある。

 円安には、景気回復傾向のアメリカで、インフレ率の上昇がある。アフターコロナに舵を切り、超低金利政策を転換、利上げが模索されている。アメリカの金利が上がれば、ドル買いが起き、超低金利の円は売られる。現在の円安は、こうした思惑で起きている。

 3つの要因が重なった。その結果、電気・ガス料金が、ガソリン価格が、食料品価格が連動して跳ね上がってしまったのだ。

 インフレが、家計を直撃する。どう乗り切るか?

 01年3月、政府は日本経済が「緩やかなデフレ」状態にあることを正式に認めた。しかし、すでに90年代後半には、デフレの様相を呈していた。

 それから25年余り。当時、新社会人になった現在40代の人から下の世代は、デフレ下での社会生活しか経験がない。

 ここは、石油ショックや狂乱地価、バブル経済下の日本を生き抜いてきた世代のアドバイスを聞くしかない。

「とにかく、無駄なものは買わない、しないことです。食材は余すところなく使い切る。特価セールだからといって、決して買い過ぎないことが大切です」

 と話すのは、東京都在住の主婦、瀬尾充子さん(78)。「無駄金は使うな」と両親から教えられて育った。

「何を買うにしても、メーカーやブランドにはこだわらないことです。例えば、地方の食品メーカーには、大手メーカーよりも、安くておいしい商品があります。近所に業務スーパーがあれば、まとめ買いに活用できます」

 そして、節約の極意を4つ挙げた。

「買わない、使わない、極力減らさない、やみくもに切り詰めない。これを守れば家計の知恵は生まれます」

 身の回りを見渡せば、節約の極意から外れた無駄は必ず見つかる。

(経済ジャーナリスト・山下知志)



老後や解雇が不安なら…「公営住宅」があるじゃないか! 都内物件の状況や入居条件は?2022/02/22 09:26