【AFP=時事】南太平洋の島国トンガ付近の海底火山で発生した大規模な噴火について、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は16日、トンガの首都ヌクアロファに大量の降灰があり「大きな被害」が出ていると述べた。死傷者の情報はないが、通信網が途絶しているため被害の全容は依然把握できていないという。

 トンガのニュージーランド高等弁務官事務所と連絡を取ったアーダーン氏は、「津波でヌクアロファ北部沿岸に大きな被害が出た。船や大きな岩が打ち上げられた」と説明。「ヌクアロファ(の内陸部)は火山灰に厚く覆われているものの、状況は落ち着き、安定している」と語った。

 ヌクアロファ沿岸には高さ1.2メートルの津波が押し寄せた。住人は高台に避難したが、家屋には浸水や倒壊の被害が出ている。

 一方、離島の被害状況は不明だ。ニュージーランド国防軍は「大気の状態が許せばできる限り早急に」偵察機を派遣するとツイッターに投稿した。

 米ハワイにある太平洋津波警報センターは日本時間16日正午までに、津波の脅威はなくなったとの見方を示した。

 英スコットランドの気候情報サイトFifeは、噴火で気圧が急上昇し「世界各地に衝撃波が広がった。信じられないほどの威力だ」とツイートした。 【翻訳編集】AFPBB News



 







読売新聞

 【ハノイ=安田信介、ロサンゼルス=渡辺晋】南太平洋のトンガ近海の海底火山で15日に大規模な噴火が起きた影響で、トンガや周辺の島国のほか、北米や南米の太平洋岸など広範囲に津波が到達した。

 米太平洋津波警報センターによると、トンガの首都ヌクアロファでは約80センチの津波が観測され、建物などが浸水した。トンガからSNSに投稿されたとみられる写真は、塀や道路が損壊し、がれきが散らばる様子を伝えた。

 ヌクアロファ駐在のニュージーランドの外交官がテレビ局に衛星電話で語ったところによると、街は火山灰に覆われ、「月面の風景のようだ」という。飲み水の確保も難しい。通信が困難で、死傷者の有無が外部から確認しにくい状況が続いている。

 豪州やニュージーランドはトンガへの支援を決めており、軍などを出動させる方針だ。

 津波は周辺の島々にも到達し、バヌアツで約1・4メートルを記録した。オーストラリアやニュージーランドでも数十センチの津波があった。ニュージーランド北部の海岸では、停留していたボートが大波を受けて損壊し、沈むなどの被害が出た。

 米西海岸やハワイでも津波が観測された。米国立気象局は15日、西海岸沿岸全域などに津波に注意を呼びかける勧告を出した。

 米国立津波警報センターによると、カリフォルニア州ポートサンルイスでは約1・3メートルの津波が確認された。一部の地域では車や建物に浸水被害が起き、ビーチや桟橋が一時閉鎖された。

 南米ペルーの地元紙レプブリカ(電子版)によると、北部ランバイエケ県の海岸でトラックが波にのみ込まれた。運転手は脱出して無事だったが、同乗の女性2人が死亡した。

 チリの国家緊急対策庁によると、北部アタカマ州チャニャラルでは、1・9メートルの津波を観測。巨大な石像「モアイ」で知られる同国のイースター島でも、60センチの津波が観測された。

 中国メディアによると、浙江省で最大約20センチの津波が観測されたという。




トンガの首都「月面のよう」 被害の全容わからず 海底火山噴火2022/01/16 20:33  毎日新聞

 南太平洋のトンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火から一夜明けた16日も、トンガ国内の被害の全容は明らかになっていない。近隣諸国は連携して情報収集と緊急支援の準備を進めている。多くの国や地域で津波警報や注意報は解除されたが、予測不能な潮位の変化も起こりうるとして海岸での活動に注意を呼びかけている。

 オーストラリア気象当局によると、トンガの首都ヌクアロファでは1・2メートルの津波が観測された。ヌクアロファに駐在するニュージーランドの外交官は16日、衛星電話で同国テレビ局の取材に応じ、沿岸地域では大きな浸水被害が生じており、首都の市街地も火山灰に覆われ「月面のようだ」と語った。「現時点では死者や重傷者は報告されていない」と述べたが、連絡がつかない人たちが複数いるという。トンガは約170の島で構成され、約10万6000人が定住している。

 ツイッターでは、噴火後にトンガの沿岸に津波が押し寄せているとみられる動画なども出回ったが、ロイター通信などによると、噴火から約1時間半が経過したころにインターネットや電話の回線が遮断された。ニュージーランドの国営ラジオによると、沿岸近くの宮殿に滞在していたトンガ国王のツポウ6世らは、首都で浸水の被害が確認された後に現地警察や軍隊が高台に避難させた。主要な道路なども浸水被害が出ている模様だ。

 2021年の東京オリンピックのテコンドー男子80キロ超級のトンガ代表で、開会式で旗手も務めたピタ・タウファトフアさんは国外に滞在中で、インスタグラムを更新。首都があるトンガタプ島の北160キロにあるハアパイ島に住む家族と連絡がつかないと投稿した。ハアパイ島の通信が遮断されているためという。「トンガの人々は、神がもたらした地球で最も強い回復力を持つ。大きな苦難の時こそ、真の精神が輝く」と記した。

 噴火で発生した衝撃波による爆発音は「ソニックブーム」と呼ばれ、英気象庁によると、1万6000キロ以上離れた英国でも観測された。英BBCは、トンガから約800キロ離れたフィジーの首都スバ当局の情報として「大きな雷鳴のような音が聞こえた」と報じた。

 豪メディアによると、同国本土の東にあるノーフォーク島では1・27メートルの津波を観測。ニューサウスウェールズ州でも沿岸地域や島に津波警報が発令され、浜辺が閉鎖された。【八田浩輔、日下部元美】




トンガ海底火山噴火 首都は「厚い火山灰に覆われている」2022/01/16 20:11  毎日新聞

 日本時間16日午後7時現在、トンガ国内の詳しい被害の状況は分かっていないが、死者やけが人は公式には報告されていない。ニュージーランド(NZ)政府によると、トンガの首都ヌクアロファでは停電が発生し、インターネットや一般の電話回線による通信が難しい状況が続いている。近海の海底通信ケーブルが影響を受けた可能性があるという。

 トンガは約170の島で構成され、うち30以上の島に10万6000人が定住している。豪州気象当局によると、今回噴火した海底火山から約65キロ離れたヌクアロファでは1・2メートルの津波が観測された。

 16日に記者会見したNZのアーダン首相は、在トンガ公館からの情報として「ヌクアロファ(の街)は厚い火山灰に覆われているが、それ以外は落ち着いている」と述べた。降灰の影響で飲料水の確保が急務といい、NZの海軍が緊急支援の準備を進めていると説明した。

 噴火による津波は太平洋各地で観測された。南米チリの国家緊急対策室によると、火山から8500キロ以上離れた北部アタカマ州で1・9メートルの津波を観測。米観測機関によると、西部カリフォルニア州で1・31メートル、同アラスカ州で1メートルを観測した。

 噴煙は上空1万6000メートルに達したと推定され、今後、航空交通網に影響が生じる可能性もある。【日下部元美】



環太平洋火山帯の別な場所でも大規模の噴火にも警戒も必要。中米や日本、北朝鮮の白頭山など。
そしてスーパー巨大地震も同じだ。アメリカ西海岸や日本など。