オミクロン変異株が猛威、米で急増続く 年明けにかけさらに増える予想2021/12/28 09:40 

(CNN) クリスマスから年明けにかけて人の移動が増える中、米国で新型コロナウイルスの症例数が増加し続けている。米ジョンズ・ホプキンス大学の26日の統計によると、新規の症例数は1日当たりの平均で1週間前より47%多い19万8404例となり、今年1月19日以来で最多となった。

CNNの医療アナリスト、ジョナサン・ライナー氏は26日、「あと1週間から10日ほどで、1日当たりの症例数は50万例に達するだろう」と予測した。

米保健福祉省(DHHS)によると、米国で新型コロナのために入院している患者は26日現在で約7万1000人。

ジョンズ・ホプキンス大学の統計によれば、新型コロナによる1日の死者は、26日までの1週間の平均で1408人となり、前の週より17%増えた。

感染力の強いオミクロン変異株が猛威を振るう中、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は27日、「しばらくの間、(症例数は)確実に増え続けるだろう」とCNNに語った。

31日の大晦日(おおみそか)に向けて、ワクチン接種を済ませた人が少人数で集まるのであれば安全だとファウチ氏は指摘する。一方で、全員のワクチン接種状況が分からない大規模パーティーは避けるべきだと強く勧告した。

新型コロナのために入院する子どもも増え続け、9月に記録した過去最高に近づいている。

首都ワシントンにある国立子ども病院の専門家は27日、同病院で行っている新型コロナ検査では半数近くが陽性と判定されていることを明らかにした。

これは、オミクロン株の市中感染がどれほど急速に拡大しているかを物語ると専門家は言う。ただ、これまでの変異株に比べて子どもたちの症状が重くなることはなく、ただ数が増えていると説明した。

DHHSと米疾病対策センター(CDC)の統計によると、子どもの入院数は24日までの1週間の平均で1日に262人だった。

これは前の週に比べてほぼ35%増えている。1日当たりの子どもの入院数は、8月下旬から9月初旬にかけての342人が最高だった。

CDCによると、新型コロナのために入院した17歳以下の乳児や子どもは2020年8月以来の累計で約7万5000人となっている。




 





 




 





 






日刊ゲンダイヘルスケア
【受験生の食事術】#1

 年が明けるといよいよ受験シーズン本番。ただでさえこの時期の受験生は最後の追い込みでイライラするが、今年はいらつきに拍車がかかっているのではないか。新型コロナウイルスの影響で授業がまともに行われなかったうえ、昨年のイレギュラーな入試のせいで出題傾向が掴みづらいからだ。そこで、時間栄養学の専門家で愛国学園短期大学非常勤講師の古谷彰子氏に、受験生の食事について話を聞いた。

 ◇ ◇ ◇

 近年、若者の精神的な健康問題の原因のひとつとして食生活が注目されています。受験間近なこの時期に、どのような食生活を心がければイライラを食い止めることが出来るのでしょうか。

 大学生268名を対象にした実験では、精神的に不安定になる原因のひとつに「睡眠不足」があり、その睡眠不足を引き起こすのが「加工食品」を週に3、4日喫食している人たちという報告がありました。加工食品に含まれていたもので多かったのがお菓子やジュースなどの嗜好品です。

 嗜好品には糖分が多く含まれていて、摂りすぎると血糖値が急激に上がってしまいます。この上がった血糖値を正常に戻そうとインスリンというホルモンが分泌されるのですが、そのインスリンが多量に出すぎると、今度は血糖値が急激に下がって逆に低血糖の状態になり、眠気が出てきたり、ボーッとしたりやる気がなくなってしまうのです。このような血糖値の急激な上がり下がりのことを「血糖値スパイク」と呼んでいます。

 低血糖の状態になると、今度はノルアドレナリンというホルモンを分泌して血糖値を回復させようとします。ノルアドレナリンは体にストレスがかかった時に対応してくれるホルモンなのですが、実際にかかっているストレスに加えて、甘いものを摂りすぎたことによる低血糖によってノルアドレナリンがたくさん出ると、余計にイライラしたり、焦ったり、落ち着きがなくなったりしてしまうのです。ですから、受験生は極力お菓子を控えることです。


 それでも、やっぱりお菓子は食べたい。そんな方に良い食べ方があります。1日の中で一番血糖値スパイクが起きやすいのが夕方から夜にかけてです。夕食時の急激な血糖値スパイクを起こさないためには、夕食前2時間〜4時間前に焼き芋やグラノーラのような食物繊維の多いおやつを食べた方が逆に胃の中にある食物繊維がグルコースの吸収をゆっくりにして、夕食時に緩やかな血糖値上昇を起こすという報告もあります。お菓子に抵抗がある方は、食物繊維豊富な玄米や雑穀おにぎりなどを主食として先に食べ、後からおかずを食べる分食もおすすめです。

 これは甘いものに限らず、朝食を抜いていきなり昼食を食べたり、お腹がすきすぎて早食いしてしまった時にも見られる現象です。昼食後に眠くなるのはもしかしたらそのせいもあるのかもしれません。

 血糖値スパイクがイライラや眠気の原因のひとつにもなりかねないので、欠食や早食いを避けることも大切です。食べ方も大事で、「ベジファースト」と呼ばれる野菜を先に食べるという方法は血糖値スパイクを防いでくれます。最近の研究では、野菜以外でも肉や魚のタンパク質、汁物を先にとっても野菜と同じ効果が見られることがわかっていますので、ベジファーストならぬ、ベジプロテインスープファーストを心がけるとよいでしょう。



 とはいえ、バランスの良い食事を3食摂ることは大前提。1日の摂取エネルギーは守りつつ食べ方をちょっと変えてみることが大切です。

(古谷彰子/愛国学園短期大学非常勤講師)






開始から10カ月…ワクチン接種後死亡1431件と厚労省が報告【コロナ第6波に備える最新知識】2021/12/28 09:26

日刊ゲンダイヘルスケア

 今月24日、厚生労働省は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下、専門部会)を開催。収集した副反応のデータを基に接種と副反応との関連性を議論した。

 予防接種開始(2月17日)から12月5日までに新型コロナワクチン接種後の死亡疑いとして報告された事例は1402件(ファイザー社製1343件、モデルナ社製59件、アストラゼネカ社製0件)だった。

 なお、12月6〜17日に医療機関または製造販売業者から死亡として報告された件数は29件(ファイザー社製22件、モデルナ社製6件、アストラゼネカ社製1件)だった。

 この結果、2月17日〜12月17日に計1431件のワクチン接種後の死亡報告があったことになる。

 なお、ファイザー社製1343件のうち65歳以上は1136件、65歳未満は196件、年齢の記載なしは11件。モデルナ社製の59件のうち65歳以上は8件、65歳未満は50件、年齢の記載なしは1件だった。

 専門部会では12月5日までに報告された1402件の死亡とワクチン接種との関連についてα(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)、β(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)、γ(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)と評価している。その結果は以下の通り。

▼ファイザー社製 α=0件、β=8件、γ=1335件
▼モデルナ社製 α=0件、β=1件、γ=58件

 また、ファイザー社製の症状の概要に記載されていた死因等は虚血性心疾患134例(うち65歳未満<以下同>は25例)、心不全117例(12例)、肺炎102例(2例)、出血性脳卒中103例(35例)、大動脈疾患59例(9例)、虚血性脳卒中53例(5例)、不整脈41例(18例)、敗血症37例(3例)などが多かった。



 一方、モデルナ社製の症状の概要に記載された死因等は出血性脳卒中11例(8例)、虚血性心疾患8例(6例)、心筋炎関連事象4例(4例)、心不全3例(3例)、不整脈3例(3例)、敗血症2例(2例)、肺炎2例(1例)などとなっている。

 では、新型コロナワクチン接種後の心筋炎死亡報告数はどうか?

 12月5日時点での心筋炎死亡報告数は22件(ファイザー社製18件、モデルナ社製4件)。65歳以上、40〜64歳、10〜39歳と年代別に見るとファイザー社製は9人、4人、5人、モデルナ社製が0人、2人、2人だった。

 このときのファイザー社製ワクチンの推定接種延べ人数は1億6567万7775人。モデルナ社製ワクチンの推定接種延べ人数は3202万1483人だった。

 一方、2019(令和元)年4月時点の人口と同年の心筋炎の死亡数はそれぞれ、1億2625万4000人、203人だったことから、専門部会はワクチン接種群と人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較において、ファイザー社製、モデルナ社製ともに、若者層において、ワクチン接種群に死亡が多い可能性があるとした。

 こうしたことから、専門部会は死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点において引き続きワクチン接種体制に影響を与える懸念は認められないとした。





 





 





 






 







NIKKEI STYLE

「厚着をしているのに肌寒い」「ふとんに入っても手足が冷たくなって眠れない」。寒さが増す季節には冷え症に悩む人が多い。食事や生活習慣の見直しが対策の第一歩。薬の服用法を含め、漢方専門医に聞いた。

冷え症には成人女性の半数以上が悩んでいると言われている。月経や出産、閉経などでホルモンバランスが乱れ、血行が悪くなるほか、体内で熱を生み出す筋肉の量が男性に比べて少ないといった理由が考えられる。男性でも加齢で筋肉量が減り、内臓の機能が低下してくると、冷えを感じやすくなる。

ただアリオ北砂内科(東京・江東)の八十島唯義医師は「西洋医学では基本的に冷え症を病気と診断することがない」と話す。冷え症の訴えから動脈硬化による血流障害や甲状腺機能低下などがまれに見つかるが、原因が特定できない例がほとんどだという。

冷え症に対応する場面が多いのはむしろ漢方専門医だろう。漢方医学部門を持っている小菅医院(横浜市)の小菅孝明院長は「漢方の考え方では大まかにいって『気』『血』『水』の3つの要素のバランスによって体の調子を判断している」と説明する。気は体内のエネルギー、血が全身を巡る血液、水は血以外の体内の水分、体液を示す。3要素のバランスがよい状態を健康ととらえるわけだ。

小菅院長は患者の体形や声の大小など患者一人ひとりの状態を「脈診」や「腹診」といった漢方のやり方でみて判断する。冷え症についても「20種類くらいの漢方薬をそれぞれの体質や症状に応じて使い分けている」と語る。

西洋医学と漢方を併用して診療にあたっているベイサイドクリニック(横浜市)の萬谷直樹院長は「手や足といった末端の部分的な冷えと、体全体が冷えてしまっている状態とに分けて考えることが多い」と解説する。

手や足の先を中心とした体の部分的な冷えには「血を巡らせる」のをイメージして漢方薬を処方するそうだ。代表例としては加味逍遥散(かみしょうようさん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)が挙がる。小菅院長は加味逍遥散について「手足は冷えているのに顔や頭は熱っぽい『冷えのぼせ』の症状にも使われる」と付け加える。

体全体の冷えは高齢になったり、虚弱体質だったり、極端な痩せ形や大病の後などにみられるケースが多い。対処するときは体を元気にして、内部から温めるイメージになる。生薬としては人参(にんじん)や附子(ぶし)。漢方薬では桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、しもやけにも使われる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などを処方するという。


萬谷院長は「冷え症には健康保険が適用される漢方薬で十分に対応できる」と強調する。服用期間は個人差が大きいようだ。短期間で体質改善が進む人がいる一方、長期間かかることもある。小菅院長は「1〜2週間服用して症状が改善しない場合、別の漢方薬を検討することになる」と説明する。気になる場合は早めに医師と相談しよう。

手足の先でも全身でも冷え症を放置していると、頭痛や腹痛、頻尿、肩こり、下痢などの不調を誘発する場合がある。普段できる対策としてはやはり体を冷やさないこと。太い血管が通る首の後ろやおなかなどが露出すると体が冷えやすいので、服装には注意する。入浴する時もシャワーでさっと済ませてしまうのではなく、じっくり時間をかけて温まるようにしたい。

普段の食事や習慣を見直すのも大事だ。冷たい飲み物や果物はとりすぎず、体を温める根菜類やショウガ、ニンニクなどを積極的に食べる。筋肉を増やせば、熱を生む力が高まるので、定期的に体を動かすようにしたい。朝食抜きや夜更かしは避け、規則正しい生活で冷えに対処しよう。

(ライター 大谷 新)

[NIKKEI プラス1 2021年12月18日付]