コロナでもインフルでもない重症化する風邪「スーパーコールド」とは?  NEWSポストセブン

 コロナとの闘いの期間が延びれば延びるほど、“ニュー・ノーマル”な暮らしも続いていく。だが、徹底した感染対策を取っていれば、絶対の安心を得られるわけではない。むしろ、その対策によって、新たな恐怖が音もなく私たちの体に忍び寄っている。

「急に冷え込んだせいか、風邪をひいてしまって。はじめのうちはちょっとだるい程度だったんですが、徐々に熱も上がり、強烈な頭痛に咳も止まらなくなって……。コロナかもしれないと思って検査を受けたんですが、結果は陰性でした」(A子さん・50代女性)

 つらい症状は2週間以上続いた。それでもくだされた診断は「風邪」だった。

 こんな「重症化する風邪」が外国で大流行し、ついに日本にも上陸し始めている。しかも、コロナ対策を徹底してきた人ほど重症化リスクが高いというのだ。

 遠く海の向こうのイギリスでは、いち早くワクチンの接種をスタートし、2回接種者が多くを占めるようになった7月、コロナに関する規制が全面解除され、全世界に先駆けて「ウィズ・コロナ」に大きく舵を切った。

 スポーツ観戦では大声をあげ、パブは連日酔客で賑わった。マスクを着用する人も大幅に減った結果、現在、1日5万人以上の“感染再爆発”という深刻な状況になっている。

 その一方で、10月頃から、次のような症状を訴える人が増えているという。

「誰かが私の喉をピンで刺しているような、耐えられない痛みがある」
「咳が止まらず、食事がとれないどころか、まったく寝ることもできない」
「3週間ほど風邪の症状が続き、4週目には回復するどころか咳が人生でいちばんひどい状態になりました。もうどうしようもない」

 
なかには全身を倦怠感に襲われ、「体中を厄介な“虫”が這いつくばっている」と表現する人もいるほどだ。


 だが、その人たちも冒頭のA子さん同様、診断結果はコロナではなく「風邪」だ。

 イギリスの大手薬局のウェルファーマシーによれば、直近の咳や風邪薬の売れ行きが前年に比べて倍増している。

 また、NHS(イギリスの国民保険サービス)によると、風邪や
インフルエンザ、咳に関する相談ダイヤルへの問い合わせが急増。想定を超える問い合わせに、回線はパンク寸前だという。

 イギリス国民を不安に陥れた重症化する風邪。その正体が「スーパーコールド」だった。


免疫の記憶が薄まっていく


 正式な病名ではなく俗称だが、主な症状は、喉や胸の痛み、頭や体の痛み、鼻水、疲労感など。一般的な風邪の症状と変わらないが、とにかく“重い”。また、罹患する人の年齢はバラバラで、症状が悪化すると最悪の場合「致死性の肺炎」に至るとの懸念がなされている。医療ジャーナリストの室井一辰さんが語る。

「イギリス現地では、“普通の風邪がいつの間にか重大な疾患につながっている”と報じられています。しかし、風邪ウイルスが強毒化したというわけではないようです。

 目を向けなければならないのは、ウイルスではなく、私たちの体。もっと言うと免疫機能です。長く続くコロナによる自粛生活に伴い、この2年間で人々の免疫が弱まった。その結果、感染症に対する抵抗力が落ちていると捉える方が正しい」

 手洗い、うがいを徹底し、何かものに触れればアルコール消毒。常にマスクを装着し、外出も極力避ける。コロナ禍で私たちが徹底してきた非日常的な対策は、いまや常識となった。

「その対策によって、コロナウイルス以外にも、私たちが普段生活している中で触れてきたウイルスと接する機会が激減。皮肉にも、それがスーパーコールドを生んだ、と考えられます。

 コロナも含め、風邪、インフルエンザなどのウイルスに一度感染すると、体内にあるメモリー細胞がそのウイルスを記憶します。そして再び同じウイルスに感染したとき、メモリー細胞が活性化し、強い免疫応答を示すので、ウイルスに対抗することができる。




スーパーコールドは、ノンエンベロープウイルス系のウイルスの可能性がある。実はまた、新型コロナ後遺症も考えられる。そして、オミクロン株コロナウイルスだったということもあるだろう。デルタ株検出PCR検査や抗原検査など変異株対応検査には、オミクロン株には陽性反応がなかなかできないので、陰性となってしまうこともあることだろう。

アルコール消毒ではなかなか効かないのは、ノンエンベロープウイルス系のウイルスが蔓延したのではないだろうか。そして、風邪に対しての自然免疫が少なすぎから、スーパーコールドが感染急増しているのかもしれません。それぞれ対応するワクチン接種するなど必要がある。イギリスでは、マスクの着用は、指定されている場所以外はそんなにしている人はいないようだ。だからコロナ感染者が1日万単位でてくるのであろう。手洗いもどれくらいの人がされているかわからないです。免疫負債の話もあるようですが、日本でも、新型コロナ以外のワクチン接種していないウイルスで感染爆発することもあることでしょう。自然免疫がなされていないならの話ですが。







 









「これまでの常識が通用しない」夏風邪が冬に急増中で鳥取県に警報 感染症対策に注意呼びかけ(米子市) TSKさんいん中央テレビ





怪我に消毒薬はNG!?内科医が教える「症状別・薬の新常識」2021/12/03 15:50  女性自身

「昔は薬のことは全部医師任せでもよかったと思うんです。でも今は、ドラッグストアやインターネットなどで、手軽に薬が買えるようになりました。おまけにコロナ禍で、感染予防のため、病気になっても簡単に病院に行けない事態が発生したことも記憶に新しいのではないでしょうか。こういう時代だからこそ、薬に対する正しい知識が必要なのですが、まだまだ誤解が多すぎる! 『たくさん薬を飲んだからすぐ治る』とは、ある60代の女性患者さんの言葉ですが、そんなことはありませんからね!」

そう語るのは、内科医でYouTuberの「ドクターハッシー」こと橋本将吉先生。

予防医学や健康情報を発信している先生のYouTubeは「わかりやすい」と評判を呼び、現在登録者数40万人超えの人気チャンネルに。現役の内科・総合医として診療を行うかたわら、一般向けの医学教育にも力を注ぐ人気医師だ。

「僕たち医師は薬を処方する際に『なぜその薬が必要か』を説明しているのですが、患者さんの話を聞くと、『理由はわからないけど、なんとなく飲んでいる』というケースが少なくありません。しかし、薬には副作用もあるため、用法・用量を誤るとかえって健康を損なうことになりますので、安易な服用や自己判断による中止には注意が必要です。おまけに、医学も薬も日進月歩です。かつては有効性が高いとされていた薬も、のちに副作用が発見されたり、危険性が明らかになることもあるため、一概に『昔飲んでいたから大丈夫』とも言えないのです。昔に比べ、格段に薬が手に入りやすくなっているからこそ、使う際には正しい情報をアップデートしていただけたらと思います」(橋本先生・以下同)

あなたの「薬の常識」は、もはや「非常識」になっているかもしれない。そこで、身近な症状ごとの「薬の新常識」を、橋本先生に聞いた。

【風邪】 「風邪薬といえば、つらい諸症状を抑える総合感冒薬。しかし、総合感冒薬に含まれる解熱剤には、多くの場合、胃がムカムカするといった副作用があるほか、鼻水を抑える抗ヒスタミン成分が眠気を引き起こすこともあるのです」

せっかく薬を飲んでも、食欲が減退してしまっては治りが遅くなるうえ、眠気が強くなって作業の効率も下がってしまうようでは、頑張ったかいもないというものだ。

「また、もし感染したのが溶連菌や肺結核などの特殊な菌で、初期症状は風邪に似ているが一般的な風邪ではなかった場合は、服薬によって症状が中途半端に落ち着いてしまうことによって、診断が遅れる可能性も否定できません。軽い風邪症状であれば、安易に風邪薬に頼るより、しっかり休んだほうが、ひどくならずに治るかもしれませんね」

【感染症】 「感染症から人類を救ってきたのは、抗菌薬や抗生物質などの抗生剤です。しかし、症状が治まったからといって飲むのを途中でやめるのは逆効果! 体内に生き残った菌が再び増殖するだけでなく、抗生剤がきかない『耐性菌』も発生しやすくなるといわれています」

抗生剤は、出された量を必ずきちんと飲み切ること。



【頭痛 つらい頭痛を和らげてくれる痛み止め(鎮痛剤)。処方箋なしで購入できる鎮痛剤も人気だが、使いすぎると頭痛が悪化することも!

「緊張性頭痛や片頭痛といった『慢性頭痛』を抑えるために薬を使いすぎると、『薬物乱用頭痛』といって、ますます頭痛が現れることがあります。詳しいメカニズムは明らかになっていませんが、鎮痛剤を日常的に服用すると、なぜか体が痛みに対して過敏に反応するようになってしまうことがあるのです。ほかにも、一般的な副作用として胃炎や胃潰瘍、腎機能障害などもあります。痛みが弱い場合や痛みがない場合の服用は、できる限り控えたほうがいいかもしれません」

【下痢】 「食中毒やノロウイルスなど、感染性胃腸炎による下痢の場合、下痢止めを飲むのは逆効果です。原因菌を腸内にとどめてしまうことになるので、結果、下痢が長引き、腸粘膜の回復も遅れます。過敏性腸症候群による下痢の場合も、原因はストレスであることが多いので、そもそも下痢止めはあまり効果がありません。電車内や会議など『今、この瞬間』をしのぐためにはやむをえないこともありそうですが、安易な服用には注意しましょう」

【便秘】 「便秘薬にはいくつか種類がありますが、腸を刺激して便秘を改善する『腸刺激性下剤』の場合、長期的に服用すると腸の神経が鈍くなり、自力で腸を動かす力が弱くなってしまう場合があります。そのため、便秘治療では『塩類下剤』が多く使われますが、こちらも腎臓や心臓が悪い人は、マグネシウム血症に注意が必要です」

便秘改善には、食事や運動など、生活習慣の見直しも忘れずに。

【うつ】 うつ病のときに処方される「抗うつ薬」。「抗うつ薬を飲んだら負け、という情報も出回っていますが、これは大きな間違いです!」と、橋本先生は断言する。

「うつ病に対する偏見の根強さが、抗うつ薬に対する誤った情報を広めてもいるようです。確かに飲み始めて体に慣れるまでに、吐き気や嘔吐などの副作用が出現することはありますが、慣れるにつれて副作用が落ち着いていくことがほとんどです。うつのときは脳の中のセロトニンやノルアドレナリンが少なくなっているので、それらの働きをサポートするのが抗うつ薬の作用です。薬についての正しい知識を身に着けて、薬をうまく利用しながら、焦らず丁寧にうつ病と向き合う事が大切だと思います」

【外傷】 かつてはどの家の救急箱にも消毒薬が入っていたが、いまや「ケガをしたら消毒薬」は時代遅れ!

「そもそも消毒薬は、細菌に含まれるタンパク質を破壊することによって殺菌作用を持っています。しかし、人間の細胞に含まれるタンパク質も攻撃してしまうので、傷の回復を妨げる可能性も。いまでは、傷口は水道水でしっかり洗い流し、乾かさないようにすることが重要と考えられています」



【骨粗しょう症】 ここからは、年齢を重ねた女性特有の症状について、それらの薬に対する注意点を解説! 最近注目の骨粗しょう症予防薬には、意外すぎる副作用があった。

「理由は不明ですが、顎の骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になる『顎骨壊死』が報告されています。顎に穴があき、口腔内が貫通することも。口腔内の細菌が血流に乗って全身を巡ってしまうので、高齢者は致命的になることも考えられます」

骨を強くするには、食事によってカルシウムをしっかり摂取し、日光を浴びてビタミンDを合成しつつ、適度に運動することが王道。薬の使用は、それらが難しい場合に検討してみよう。

【更年期障害】 更年期障害の治療といえば、ホルモン補充療法が一般的。

「しかし、性ホルモンが作用する子宮や胸を刺激し続けるので、子宮がんや乳がんのリスクを上昇させるというデメリットもあります。ホルモン補充療法は、あくまで短期的なものです。治療の際は主治医と『やめどき』について、きちんと話し合っておきましょう」

【こむらがえり】 高齢になって筋肉量が減ると起こりやすくなる「こむらがえり」。血中のカリウム濃度を変えてくれる漢方薬・芍薬甘草湯は、薬局でも買えるのが魅力だが、飲みすぎるととんでもないことに。

「この年代の患者さんは『もの忘れ』も少なくありません。そのため、一日の用量を忘れて『足がつっては薬を飲む』を繰り返した結果、血中のカリウム濃度が急激に低下してしまい、心室細動と呼ばれる命に係わる不整脈を引き起こしてしまうこともあります。この薬に限らず、処方薬と違って服用が自己判断になる市販薬は、用法・用量にも注意が必要です」

忘れてはならないのが、どんな薬にもメリットとデメリットがあるということ。

「このバランスを考え、薬はメリットのほうが大きい場合に『最後の切り札』として使いましょう。最初から安易に薬に頼るのではなく、まずは健康的な生活習慣を心がけることもお忘れなく!」

これからは、薬と正しく付き合うことも、健康管理の一つです!



よい病院と医師の見分け方 患者の立場でのチェックポイント2021/12/03 15:00  マネーポストWEB

 病気になったときに、頼りになるのが病院。だが、かかる病院、診療する医師によって、治療内容だけでなく、治療費にも大きな差が生まれることがある。はたして、どうすれば安心して命を預けられる病院と医師を見分けられるのか。みつばち大阪クリニック院長の橋本惠さんは外見からも、いい医師がいる病院はある程度見分けられると主張する。

「スタッフの間に和気藹々とした雰囲気があることは重要。1人の患者さんを囲み、どういう治療がいいか忌憚なく話すためには、普段からの人間関係の構築が必要です。医師個人についていえば、医局人事や自己研鑽でいろいろな職場を経験してきた人の方が多くの知見を目にする機会があり、治療の幅の広まりが期待できます。病院が公表する手術数も参考にしていい。ただし、“成功率”をホームページに掲載する病院には落とし穴が。難しい症例を敬遠する傾向にあります」

 受付や事務員などスタッフ同士のコミュニケーションが取れているか、目を向けてみよう。いざ診察室に入ったらまず確認すべきは“時間”だ。湘南鎌倉総合病院・院長代行の小林修三さんが説明する。

「患者にどれだけ時間をかけているかは1つのチェックポイントです。初診の場合であれば15〜30分は欲しいところ。混んでいるときに相談を持ちかけたとしても邪険にせず “今日は難しいけれど来週なら時間を取るから”など代案を出してくれる医師も、その後の治療で親身になってくれる可能性が高い」

 施設の様子にも注目しよう。医療サービスアドバイザーでコンサルタントの武田哲男さんはこう話す。

「絵を飾り植物などを置いてある医療機関はいい病院である傾向があり、そのうえ季節ごとに替えたり、手入れするだけの余裕があることがわかる。スタッフに心のゆとりがあるからこそ、医療も行き届くのです」

 最近は必須となった「コロナ対策」の内容もひとつの指標となる。

「発熱者とそれ以外の人の動線や窓口を分けたり換気をしっかりしたりするなど、コロナ対策をどのくらい丁寧にしているかもその病院が信用に足るかの物差しになります。たとえ大病院でなく、古い施設であっても努力が垣間見えるところはいい病院だといえるでしょう」(橋本さん)

 これらに加え、新しい評価基準として覚えておきたいのが「JCI認証」だ。

「アメリカで創設された医療分野の第三者評価機関が審査するもので、1200項目からなるチェックを受けて合格しなければならない厳しい基準です。災害時だけでなくすべての面における安全性が担保されているか、質の向上に取り組んでいるかなど病院にある程度の余裕がなければ取得は難しい。

 実際、その調査対象は医師や看護師だけでなく清掃スタッフなど広範囲に及びます。有名医師がいるとか、テレビによく出る病院という基準で選ぶより、JCI認証を取得しているかどうかをホームページなどでチェックする方が簡単だし、取得していればいい病院である確率が高い」(小林さん)

 もしいま通っている病院がこれらのチェックポイントに当てはまらないのであれば、病院を移ることも検討したい。その際、医師への対応は慎重に。

「時間帯が合わなくなった、親の介護で実家の近くのクリニックに通うことになった、など波風が立たない理由を作るのも手です。転院に関しては“嘘も方便”。医師に気持ちよく紹介状を書いてもらうことに注力した方がいいでしょう」(橋本さん)

 いざ医師と対峙するときには、良好なコミュニケーションを取ることを意識したい。

「医師も人間です。たとえば急にノートを出して『騙されるもんか』というポーズをとられたり、延々と自分の話だけを語られたりすれば、さすがに身構えます。まずは挨拶をして、信頼関係を作ることが大切です」(小林さん)

 病気や治療について、知識をつけておくことも重要だ。医療ジャーナリストの増田美加さんは言う。

「”何もわかりません””お任せします”ではなく“自分はこう思うが先生のご意見は”などと具体的に尋ねましょう。医師も患者の希望がわかるので、それに沿った治療を進めてもらいやすい」

 岩澤さんも多くの取材経験から知識をつける大切さを痛感している。

「多くのがんサバイバーに取材しましたが、全員に共通していたのが、自分の病状について医師と同じくらい勉強し、知識を持っていたことでした。正しい情報を得るためには取捨選択が必要です。特にインターネットの情報は玉石混交。見極める目を持ってほしい。たとえばがん治療に関して信頼できるのは国立がん研究センターによる『がん情報サービス』、虫歯治療なら『日本歯科保存学会』のガイドラインなどがおすすめです」

 目の前の医師を名医にするかどうかは、あなた次第ともいえるのだ。

※女性セブン2021年12月9日号