【独自】南海トラフ地震と豪雨の「複合災害」、富岳で予測…理研など被害規模推定へ2021/07/28 12:18 

読売新聞



 マグニチュード8〜9級の巨大な南海トラフ地震と豪雨が重なる「複合災害」について、理化学研究所などのチームが被害規模の本格的な推定に乗り出す。現実そっくりの街をコンピューターで再現するデジタル・ツイン技術と、世界一の計算速度を持つスーパーコンピューター「富岳ふがく」を活用し、今年度内にも推計に着手する。

 南海トラフ地震の想定震源域は東海から九州に及び、政府は30年以内の発生確率を70〜80%と想定。被災地では最大23万人の犠牲者と170兆円超の経済被害が出ると試算されている。地球温暖化の影響などで豪雨災害が頻発する中、これらが同時発生する複合災害への懸念が高まっている。

 チームには、理研のほか東京大や九州大、海洋研究開発機構などが参加。まず、民間の住宅地図情報や地盤データなどを基に、街のデジタル・ツインを作成。最大想定の地震をデジタル空間内で発生させ、個々の建物の揺れや液状化するエリアなどを富岳で予測する。

 さらに、地震で不安定になった地盤や変化した地形が、豪雨に襲われるという想定で被災状況を推定。土砂災害や河川氾濫の発生リスクや被災範囲を把握する。経済被害についても、民間信用調査会社が保有する企業データなどを基に算出し、住民の避難行動や公共交通機関への影響を解析する。

 耐震性が不十分な建物や橋、軟弱地盤などを事前に特定し、適切な対策をとることで、複合災害に伴う甚大な被害を軽減し、早期の復旧・復興に生かす考えだ。

 当面は、南海トラフ地震の想定震源域に近い関西の都市部を中心にデジタル・ツインを作る。膨大な計算ができる富岳の登場で、1000万人程度が暮らすエリアを予測対象にすることが可能になったという。今後、首都直下地震を想定した首都圏のハザードマップ(災害予測地図)作りにも活用する。

 理研の大石哲チームリーダー(防災学)は「ある橋が使えなくなると分かれば、それを前提にした避難や復旧の計画が立てられる。『想定外』をなくし、複合災害から早く立ち直れる社会を目指したい」と話す。

 河田恵昭・関西大社会安全研究センター長(減災・縮災学)の話「富岳の能力を生かした重要な研究だ。複合災害のリスクは年々高まっているため、研究成果を自治体、企業と共有し、活用策について知恵を絞る必要がある」

 ◆デジタル・ツイン=デジタル空間に、「双子(ツイン)」のように現実とうり二つの建物や街並みを再現し、実際の人の流れや交通量などのデータを反映させる技術。これまでに東京・渋谷や銀座などが再現された例がある。




山形の「田んぼダム」1% 水害対策の一環、25年度まで3倍に2021/07/28 10:29  毎日新聞


 国が頻発する水害対策の一環として推奨し、流域治水の一つとして注目される「田んぼダム」は、米どころの山形県内で、水田全体の約1%にとどまっている。死者は出なかったが、最上川が氾濫した記録的豪雨から1年。国は、田んぼダムの取り組み面積を2025年度までに「現状の3倍以上」とする目標を掲げて、21年度から交付金を加算して活用を促す。

 20年7月27〜29日に、県内に降り続いた大雨で最上川水系が各地で氾濫し、26市町村の計1200棟超で全半壊などの建物被害が発生。農地なども合わせた被害総額は約400億円に上った。

 国は豪雨災害に対し、上流部のダムや河川掘削など、河川区域内での管理者が主体となるハード面の対策から、上流から下流までの流域全体であらゆる関係者が協働して水害を軽減させる「流域治水」に切り替えた。全国約120水系で「流域治水プロジェクト」が策定され、県内では最上川水系と赤川水系の2水系で、地域特性を踏まえた治水対策がまとめられた。

 全国有数のコメの生産県なため、両水系とも「田んぼダム」が対策の一つとして盛り込まれた。ダムは降った雨を水田に一時的にため、ゆっくり河川へ流すことで、河川水量が急激に増えないようにする対策の一つだ。

 水田の排水口に水位を調整する特殊な板や装置を設置するだけで、基本的に農家の特別な負担はない。県の担当者は「交付金も加算された。市町村から各地域へ周知して活用してほしい」と話す。

 しかし、県によると、県内の水田面積約9万2200ヘクタール(20年度)に対し、田んぼダムは約1200ヘクタール(21年度、交付金ベース)で全体の1・3%。先進県とされる新潟県は、約1万5600ヘクタール(20年8月)で、山形の10倍以上に上る。

 田んぼダムに詳しい新潟大農学部の吉川夏樹准教授(水環境工学)は「広域的な戦略と農家の理解、仕組み作りが不可欠だ」と強調。県が、主体的に支流域ごとなどで方向性を示す必要があるといい、「協力しても農業活動に支障をきたさない装置の普及など、今以上に整えていく必要がある」と指摘する。

 ◇今ある財産で減災、防災を

 鶴岡市の「いなば・エコフィールド推進協議会」(事務局・因幡堰土地改良区)は、田んぼダムに先進的に取り組んでいる。21年度、国の交付金の加算措置(継続地区は10アール当たり300円)に加えて、独自に200円を上乗せしたところ、これまでの田んぼダム面積約560ヘクタール(170戸)から倍近くに増えたという。

 佐藤友二事務局長は「これまでは『田んぼダムにすると、今まで以上に労力や経費がかかる』などの誤解もあったが、国の加算措置に加え、独自の上乗せで農家さんが本気になってくれた」と手応えを感じる。「今ある財産(水田)を使って地域のために減災・防災していくべきだ」と広がりを期待する。【野呂賢治】





「やさしい日本語」で防災冊子製作 和歌山大生が留学生と協力2021/07/28 12:13   毎日新聞





水災補償は大丈夫? 火災保険に自然災害が含まれているか見直しを(横山光昭)2021/07/22 09:26  日刊ゲンダイDIGITAL




世界の記録的熱波、温暖化の急なペースが原因 研究2021/07/28 13:23   AFPBB News



発生時刻2021年07月29日 15時16分頃震源地アリューシャン列島(米国、アラスカ半島)位置緯度北緯 55.5度経度西経 157.9度震源マグニチュードM8.2 





最近よく聞く「線状降水帯」の正体とは?「どこに」「なぜ」できる?  現代ビジネス





夏休みの子ども、家電事故に注意を…思わぬやけどの恐れ2021/07/29 19:40  読売新聞オンライン

 新型コロナウイルスの感染防止や夏休みで子どもが家庭で過ごす時間が増え、家電などでやけどの事故に巻き込まれる恐れがあるとして、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)は29日、注意を呼びかけた。

 NITEによると、2020年までの5年間で12歳以下の子どもがけがをした家電などの事故は計81件に上り、うち30件がやけどだった。20年9月には群馬県で、1歳の男児がウォーターサーバーの温水タンク表面の高温になった部分に触れ、軽いやけどを負った。17年7月には大分県で、0歳の女児がテーブル上の電気ポットの電源コードを引っ張り、ポットが倒れて、こぼれた熱湯で軽いやけどを負った。

 NITEは「保護者は子どもにどんな危険があるか教えてほしい。また、家電の前に柵を設置するなど近づけないように工夫してほしい」と呼びかけている。




アリューシャン列島東部、M8.1 15時16分 








日テレNEWS24






AFPBB News




 【AFP=時事】米地質調査所によると、米アラスカ州沖合で28日午後10時15分(日本時間29日午後3時15分)、マグニチュード8.2の地震があった。同州では最大で高さ約20センチの津波が観測されたが、大規模な津波はなかった。

 震源はペリービルの南東約100キロの地点。津波警報センターはアラスカ州南部とアラスカ半島に津波警報を出したが、約3時間後に解除した。

 人口約6000人のコディアック島では、低地に住む人々が高台に避難するよう指示された。地元ラジオ局によると、小規模な津波が観測されたが、被害が出たとの情報はなく、避難命令は解除された。

 アラスカ地震センターの地震学者マイケル・ウェスト氏はアラスカ公共メディアに対し、今回の地震は「アラスカ地域で1965年以降に起きたものとしては最大」だと語った。

 アラスカ州では1964年3月、北米観測史上最大となるM9.2の地震が発生。揺れと津波により250人以上が死亡した。 【翻訳編集】AFPBB News






中国・河南省 豪雨 「1000年に1度」爪痕大きく2021/07/30 06:23  FNNプライムオンライン

1000年に1度と言われる豪雨で被害の出た中国・河南省の死者は99人にのぼり、各地には爪痕が残っている。

豪雨により鄭州市では20日、地下鉄に大量の水が流れこみ、乗客など14人が死亡した。

地下鉄の入り口には、多くの人が献花に訪れているが、数日前には、当局への批判につながることへの懸念からか、高い壁が設置されていた。

献花に訪れた女性「天災ならともかく、人災なら納得できる説明がほしい。被害が大きすぎる」

郊外の街は今も浸水しているほか、ブロック塀が倒れたままになっているなど、被害の爪痕が残っている。

被害を受けた店の人「土石流と豪雨で、建物の中に泥が入ってきた。この辺りまで浸水した」

河南省の経済的損失は1兆4,500億円余りに達し、全面的な復興のめどはたっていない。