異なるワクチンの組み合わせ接種も「高い予防効果」=英研究2021/06/29 13:22  BBC News

ミシェル・ロバーツ、保健編集長、BBCニュースオンライン

新型コロナウイルスのワクチン接種で、1回目と2回目で異なるメーカーが製造したワクチンを使った場合も予防効果が得られるとの結果が28日、イギリスの研究で示された。

「Com-Cov臨床試験」に関する今回の研究では、ファイザー製またはアストラゼネカ製のワクチンを2回接種した人と、両ワクチンを1回ずつ打った人について調べた。

その結果、すべての組み合わせで免疫がつくられ、十分に機能していることがわかった。

これにより、ワクチン接種がより柔軟に実施できると、専門家らは指摘している。

今回の研究はまた、アストラゼネカ製ワクチンをすでに2回接種した人について、仮に異なるメーカーのワクチンの追加接種(ブースター)を秋に推奨されて受けた場合、より強力な追加免疫を得られる可能性があるとした。

だが、英政府の副主任医務官を務めるジョナサン・ヴァン・タム教授は、現在の国内のワクチン接種スケジュールを変更する理由はないと述べた。十分な量のワクチンがあり、接種の効果もみられていると説明した。

一方で、今後の検討対象になりうると表明。「別々のワクチンの接種は、追加接種にさらなる柔軟性を与えることになる。ワクチン接種をまだまだ進める必要がありながら、供給面で困難に直面している国を支援することにもつながる」と述べた。

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一部の国ではすでに、別々のワクチンの接種を実施している。スペインとドイツは、1回目にアストラゼネカ製を打った若者に対し、2回目はファイザーやモデルナが製造したワクチンを接種している。ただこれは、効果の観点からではなく、アストラゼネカ製ワクチンについて、まれに深刻な血栓を生じさせることが懸念されているためだ。

新型ウイルスをブロックし殺すT細胞や抗体を得て、新型ウイルスの感染症を完全に予防するには、2回の接種が重要だ。

今回の研究では、50歳以上のボランティア850人に対し、4週間の間隔を置いてワクチンを接種した。その結果、以下のことがわかった。

・アストラゼネカ製の後にファイザー製を打った場合、ファイザー製の後にアストラゼネカ製を接種した場合よりも、抗体とT細胞が活発化した

・前記の2通りの接種は、アストラゼネカ製の2回接種より抗体が増した

・ファイザー製を2回接種した人が抗体の反応が最も強かった。T細胞の反応が最も強かったのは、アストラゼネカ製の後にファイザー製を打った人だった

筆頭研究者のオックスフォード大学のマシュー・スネイプ教授は、今回の結果によって、同じワクチンを2回接種する英政府の方針が損なわれるわけではないと説明。「標準的なスケジュールは両方とも、重症化や入院の防止に非常に効果的だと、すでにわかっている。8〜12週の間隔を置いて接種されれば、デルタ変異株にも有効だ」とした。

同教授はまた、今回の結果から別々のワクチンの接種も効果的だと示されたと述べた。研究ではイギリスで一般的な8〜12週の間隔ではなく、4週間の間隔を置いて接種されたが、それでも効果が確認できたとした。

「間隔は長いほうが、よりよい免疫反応が得られるとわかっている」

12週間の間隔を置いて別々のワクチンを打つ研究も実施されており、結果は来月、公表される予定だ。

秋の追加接種は

28日に公表された査読前の別の研究は、アストラゼネカ製ワクチンを2回目の接種から6カ月以上後に改めて接種することで、免疫力を高められるとした。

ただ専門家らは、今年の冬を前に追加接種が必要かを判断するには時期尚早だとしている。時間の経過による免疫の低下については、まだ不明な点が多い。

イースト・アングリア大学のポール・ハンター教授は、「いま問題なのは、この秋に追加のワクチン接種を実施するのかどうかだ。今回の研究などからは、年齢や病気が理由で新型ウイルスのリスクが大きい人については、可能性が高いとみられる」と話した。

同教授は、アストラゼネカ製ワクチンを打ってきた人について、さらに同じワクチンが接種されるのではなく、ファイザー製ワクチンが追加接種されるかもしれないとの見方を示した。一方、ファイザー製を打ってきた人については、今回の研究結果から、秋の追加接種は必要ないだろうとした。


<分析>ファーガス・ウォルシュ医療担当編集長

異なるワクチンを同じ人に接種する今回の研究の初期結果は、とても明るいもので、追加接種について興味深い選択肢を示している。

1回目と2回目の接種で、アストラゼネカ製とファイザー製という別々のワクチンを使うことで、強い免疫反応が生み出された。実際、ファイザー/ファイザー、アストラゼネカ/ファイザー、ファイザー/アストラゼネカのいずれの組み合わせで接種しても、アストラゼネカ/アストラゼネカの接種よりも多くの抗体がつくられ、細胞の反応も高まった。

これは、アストラゼネカ製の2回接種がいくらか劣っていることを示しているのだろうか。いや、必ずしもそうではない。

アストラゼネカ製の2回接種によって、新型ウイルス感染症による入院リスクが90%以上減少したと証明されていることは、覚えておくべきだろう。

アストラゼネカ製ワクチンの効果が高いことは、現実世界で証明されている。同ワクチンは効果がゆっくり現れる「スローバーナー」タイプで、免疫レベルは徐々にアップする。接種間隔が長い場合は特にその傾向がみられる。現在、1回目と2回目の接種の間隔は8〜12週間とされており、十分な免疫反応が得られるはずだ。

今回の研究が示しているのは、追加の3回目の接種においては、それまでの2回で接種したのとは異なるメーカーのワクチンを打つのが望ましいだろうということだ。

ただ、別々のワクチンを接種することで悪寒や頭痛、筋肉痛など、より短期の副反応がみられていることには注意が必要だ。





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沖縄タイムス

 沖縄県立中部病院のクラスターは過去3番目に多い50人規模となった。初報段階の「感染5人」に公表をとどめていた理由を、県の糸数公医療技監は「保健所を通じた追加情報が県に上がっていなかった」と釈明した。同病院は新型コロナ治療の中核を担う県立の重点医療機関。公表の在り方だけでなく、県内部の連携体制に課題も浮かんだ。

 院内クラスターは、一般的に病院による独自の公表と、県保健医療部の発表の2種類がある。

 同病院は10日、公式ホームページで外来診療と入院制限の延長を発表、クラスター発生に触れた。ただ感染者数など詳細は示さず、病院を所管する病院事業局は公表もしていなかった。同局の担当者は「明確な公表基準はない。クラスターに伴う入院や救急外来の閉鎖はせず、制限を最小限にとどめたため公表は必要ないと判断した」と話す。

 一方の県保健医療部はこれまでクラスターを「迅速に公表する」とし、感染者数が増えるたびに発表してきた。だが今回は約1カ月、初報の5人のまま。県は入院調整なども担う立場にもかかわらず、糸数医療技監は記者会見で、感染が広がったきっかけや収束の有無も「詳細は聞いていない」と述べるにとどめた。

 公表の在り方や情報共有に問題はなかったのか。病院事業局と県保健医療部はともに「今後の対応は協議する」とした。





「確実な避妊方法」はある? 知っておきたい避妊の種類とメリット・リスク【産婦人科医が解説】2021/06/29 20:45  All About




【食と健康 ホントの話】スケソウダラが「サルコペニア予防」に有効 摂取で特別な運動をしなくても筋肉増大することが確認2021/06/30 17:15  夕刊フジ




「熱中症」の後遺症があるって本当? 1年以上も、体に影響も?2021/07/01 06:10  オトナンサー

 7月23日開幕予定の東京五輪を巡り、新型コロナウイルスが流行する中での「有観客開催」に批判の声が高まっていますが、もう一つ、忘れてはならないのが猛暑対策です。7月下旬から8月上旬という暑さの厳しい時期、屋外での競技も行うことになっており、選手や観客、ボランティアの熱中症が心配されています。

 そんな中、男子50キロ競歩で2019年9月の世界陸上を制し、東京五輪金メダルの期待も高かった鈴木雄介選手が6月22日、代表辞退を表明しました。世界陸上の競歩はカタール・ドーハの高温多湿の環境下で行われ、鈴木選手も「熱疲労」(熱中症の一種)を起こしていたとの報道もあり、1年以上、ダメージが続いて十分なトレーニングができなかったようです。

 スポーツ選手に限らず、熱中症の後遺症が出て、しかも1年以上、体に影響することがあるのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

重症なら年単位で影響も

Q.まず、熱中症の原因と主な症状を改めて教えてください。「熱疲労」も熱中症の一種なのでしょうか。

市原さん「熱中症は暑い環境にいることで熱が体の中にこもり、さらに脱水によって、汗による熱の放散が十分できないために起こります。熱中症の症状は軽いものから重度のものまで、さまざまです。軽症であれば、目まいや立ちくらみ、大量の発汗、こむら返り、筋肉痛などが起きます。中等症であれば、頭痛、吐き気、倦怠(けんたい)感などの症状もみられます。重症になると、意識障害やけいれん、40度以上の発熱などの症状があります。熱疲労はこの中で、中等症に相当する状態のことです」

Q.熱中症で後遺症が出ることはあるのでしょうか。

市原さん「中等症以上の熱中症では、後遺症が出ることがあります。主に肝臓や腎臓の障害、中枢神経障害です」

Q.熱中症になった後、1年以上、体への影響が続くこともあるのでしょうか。また、鈴木選手の症状も熱中症の後遺症なのでしょうか。

市原さん「肝機能や腎機能は回復しますが、後遺症として影響が続く恐れがあるのは中枢神経障害です。歩行障害を特徴とする小脳失調(小脳の機能に障害がある状態)、パーキンソン症候群(パーキンソン病の症状とよく似ている運動障害症状全般)が代表的です。中等症の熱中症の場合、中枢神経障害の後遺症は半年程度で回復することがほとんどですが、重症となると1年以上、年単位で継続、もしくは改善しないことがあります。

なお、鈴木選手については報道ベースでしか症状が分からず、熱中症と現在のコンディション不良の関係については何ともいえません」

Q.東京五輪が予定通り、7月23日に開幕したら、猛暑の中での競技が予想されます。マラソンと競歩の会場は札幌市に移りましたが、ほかにもトライアスロンなどの屋外競技が東京などで行われます。観客や関係者を含め、熱中症の心配はないでしょうか。

市原さん「先ほど述べたように、熱中症は暑い環境にいることで熱が体の中にこもり、さらに脱水によって、汗による熱の放散が十分できないために起こります。水分やミネラルの補給を十分に行ったとしても、真夏に長距離走などの激しい運動を屋外ですること自体、熱中症を引き起こす可能性が高いと思います。特に、暑い環境にない国から来日する選手は体が暑さや湿気に慣れておらず、より熱中症のリスクが高くなります。また、運動はしない観客や関係者も同様に高いリスクがあります」

Q.熱中症の後遺症を防ぐためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。

市原さん「後遺症は熱中症の程度が進むにつれて、可能性が高くなります。熱中症を予防することが一番大切ですが、もし、熱中症の症状が出たら、一刻も早く対処することです。熱中症の可能性を感じたら、すぐに涼しい場所に避難して水分摂取、できれば、氷などで体を冷やしてください。軽症の症状であっても水分摂取や冷却で改善しない場合や中等症以上の症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。

なるべく早く対処することが、熱中症の重症化を防ぐためにも後遺症を防ぐためにも大切です」






糖尿病予備群も危ない 心筋梗塞や脳卒中のリスクが2倍以上【進化する糖尿病治療法】2021/06/29 09:26  日刊ゲンダイヘルスケア

【進化する糖尿病治療法】

 糖尿病予備群とは、「血糖値が正常より少し高いが、糖尿病と診断される値よりは低い状態」を指します。これを、「まだ糖尿病じゃない。このままでいいんだ」と捉える人が多いのですが、糖尿病予備群は「予備群と言われてしまった。これはなんとかしないとまずい」と考えるべき状態です。

 米国で行われた調査で、糖尿病予備群も糖尿病と同様、対策が必要な状態であることを示す結果が出ました。

 ミシガン州のボーモント医療システムで2006〜20年に治療を受けた18〜104歳の2万5829人を対象に、すべての患者を追跡調査。米糖尿病学会では、HbA1cが5・7〜6・4%、空腹時血糖値が100〜125㎎/デシリットル、または経口ブドウ糖負荷試験で140〜199㎎/デシリットルであると糖尿病予備群(米国ではprediabetes=前糖尿病)としており、追跡調査対象の2万5829人のうち、糖尿病予備群は1万2691人、HbA1cが正常な人は1万3138人でした。

 5年間の追跡調査で明らかになったのは、HbA1cが正常な人では心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の発症リスクが11%だったのに対し、糖尿病予備群の人は18%と高かったということ。年齢、性別、BMI(肥満度を表す体格指数)、血圧、コレステロール、睡眠時無呼吸症候群、喫煙、末梢動脈疾患といった心血管疾患のリスクを上げる他の要因を考慮しても、糖尿病予備群は心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高いことが分かりました。

 研究を行った医師は「糖尿病予備群の段階で、主要な心血管疾患の危険性がほぼ2倍に上昇。糖尿病に進行しなくても、心血管疾患の危険性を大幅に高める」と述べています。



 糖尿病予備群は「糖尿病になりかけているものの、まだ糖尿病ではない」とよく言われます。たしかにそうなのですが、米国の調査結果を見ると、「まだ糖尿病ではない」という、どちらかというと安心に傾く考え方は適切ではないでしょう。米国人と日本人では体質も食生活も異なるので、米国の調査結果をそっくり日本人に当てはめられないとはいえ、深刻に捉えるべきです。

 血糖値は、「正常型(糖尿病ではない)」「境界型(糖尿病予備群)」「糖尿病型(糖尿病)」の3つに分けられます。

 正常型は、空腹時血糖値が100㎎/デシリットル未満でHbA1cは5・6%未満(日本の場合、以下同)。一方、空腹時血糖値が126㎎/デシリットル以上かつHbA1cが6・5%以上は糖尿病型で、空腹時血糖値またはHbA1cのどちらかが高い場合は、再検査が必要となります。

 そして、正常型よりは数値が高く、しかし糖尿型まではいかない場合が境界型糖尿病、すなわち糖尿病予備群です。検査数値は、空腹時血糖値110〜125㎎/デシリットルかつHbA1cが6・5%未満となります。

 自分が糖尿病予備群なら? 今日からできる方法としては、インスリンの働きを悪くする要因をできる限り取り除くことです。

 まずは、食べ過ぎを抑える。1日の摂取カロリーを、ざっくりでいいので把握しましょう。細かく覚えなくても、よく食べるメニューのだいたいのカロリーを調べ、「夜にこれくらいのカロリーを取るので、朝、昼はカロリー抑えめのメニューにしよう」「昨日は食べ過ぎたので、今日は控えめに」などと、1日や数日単位で調整できるといいですね。毎日同じ時間、同じ条件で体組成計に乗り、体重、体脂肪率をチェックするのも、食べ過ぎを減らす方法としてお勧めです。

 次に、日常的に体を動かす習慣をつける。食後のストレッチ、朝の散歩、出勤で1駅歩くなど、継続できる方法で構いません。

 ただ、糖尿病予備群の中には、より注意が必要な人もいます。それについて、次回のこの欄で紹介したいと思います。

(坂本昌也/国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長)