分析の結果、8日頃には気流が米アラスカ付近からカナダ北部を経て南下し、米中西部へと深く進入する経路を取ったことが判明。見延教授によると、二つの台風の激しい上昇気流でジェット気流が蛇行を強め、北側の寒気を南側へ引き込んだとみられるという。
榎本剛・京都大教授(気候力学)の話「台風は激しい気象現象なので、周りの大気の流れや温度に大きな影響を与える。今回は台風通過後にジェット気流が蛇行し、異常気象の連鎖を引き起こしたと言える」
9月上旬に九州西岸を相次いで北上した台風9号、10号が、米国中西部で起きた寒波の遠因となったとみられることが、北海道大の
二つの台風は、2日から7日にかけて九州西岸を連続して通過した。米気象局によると、中西部はこの時期としては異例の寒波に見舞われ、コロラド州デンバーでは5日(現地時間)の最高気温は約38度の猛暑だったが、8日午前(同)には気温が0度前後まで急低下した。
見延教授は米海洋大気局の気象データを入手し、北緯30〜60度の上空を南北方向に蛇行しながら東向きに流れているジェット気流の動きを解析。二つの台風が九州西岸を進んで朝鮮半島付近に達した後、蛇行の振れ幅が通常より強まったことを確認した。
分析の結果、8日頃には気流が米アラスカ付近からカナダ北部を経て南下し、米中西部へと深く進入する経路を取ったことが判明。見延教授によると、二つの台風の激しい上昇気流でジェット気流が蛇行を強め、北側の寒気を南側へ引き込んだとみられるという。
榎本剛・京都大教授(気候力学)の話「台風は激しい気象現象なので、周りの大気の流れや温度に大きな影響を与える。今回は台風通過後にジェット気流が蛇行し、異常気象の連鎖を引き起こしたと言える」
【AFP=時事】気候変動が山火事を悪化させている要因について、図解でまとめた。
【関連】山火事の消火についてまとめた図解
■山火事が多い季節の長期化
山火事の多い季節は、以前は2か月だった。現在は5か月~1年中にまで拡大している
■暑さと乾燥
高温と干ばつは、山火事に理想的な状況をつくる
■枯れ木の増加
火災の燃料となる枯れ木、低木、草が日照りによって増加
■乾燥に耐性のある植物
湿気を好む植物が、乾燥に耐性がある燃えやすい植物に代わる
■木食い虫の侵入
気候温暖化により、木食い虫が北上。木が食べられ、可燃物が増加
■乾いた木は水を求める
乾いた木はできるだけ水を吸収しようと根を深く生やすため、土壌がさらに乾燥する
■落雷
温暖化により火災の原因となる落雷が発生しやすくなる
■悪循環:山火事が地球温暖化を悪化させる
森林が燃えると、木と土壌に蓄積された二酸化炭素が放出され、地球温暖化が悪化する
■制御不能な炎
気候変動で激しさを増した炎が消火活動を妨げる
【翻訳編集】 AFPBB News