「イノベーションのジレンマ」の著者、クレイトン・クリステンセン氏が逝去


【追悼】クリステンセンは「ターゲット=人」の常識をディスラプトした


【追悼】クリステンセン教授「日本の経営者は盛田昭夫の伝記を読むべき」


クレイトン・クリステンセン教授を偲んで――著作をあらためて読む


「The Innovator’s Dilemma」のクレイトン・クリステンセン逝去



あなた自身の人生を考える ――イノベーション・オブ・ライフ

大病を患ったクレイトン・クリステンセン教授が最後の講義で若者たちに伝えておきたかった“人生訓”とは――。



幸せになるための3つの問い|ハーバード大・クリステンセン教授『イノベーション・オブ・ライフ』






◆日本経済新聞
クレイトン・クリステンセン氏死去
「ディスラプション」実証

〖評伝〗なぜ大成功した企業ほど新興勢力によるディスラプション(創造的破壊)に弱いのか。なぜ創造的破壊は大企業から生まれにくいのか──。
 IT(情報技術)業界などで繰り返されてきた業界リーダーの交代の歴史を分析した「イノベーションのジレンマ」を1997年に著して以来、経営者の教祖的な存在だったクレイトン・クリステンセン米ハーバード大経営大学院(HBS)教授が23日、死去した。
 成功企業は自らの成功モデルを破壊するような新規事業を育てにくい、というのが同教授の実証したジレンマだった。「ディスラプション」という言葉を企業経営や産業史の現象を表す用語として使い、広めた。
 「損失覚悟で革新への投資を決断し、その取り組みを社内の他部門の圧力から守れるのはトップだけ」と経営者トップの重要性を説いた。また「予想収益が低いといって投資しなければ生まれる価値はゼロ。自滅の道だ。企業を金融的に見る習慣は米産業界のがんだ」と、ハーバードを含む米経営大学院が教える投資収益や企業価値の算定法の乱用に警鐘を鳴らした。
 67歳の若さで白血病に命を奪われた。それまでも1型糖尿病、心臓病、脳梗塞、リンパ腫など何度も重病に見舞われながらも研究や実業を重ねてきた。2011年9月の筆者の取材の際も、オレンジジュースで血糖値をコントロールし、脳梗塞の後遺症だった言語障害と闘いながら、何度も言葉をかみしめるように話していた。
 2㍍を超える長身で学生時代はバスケットボールの選手だった。ユタ州出身の敬虔(けいけん)なモルモン教徒で、大学時代に安息日である日曜日の試合出場を拒否したという逸話が残る。
 「重病のたびにこの世での自分の使命はもう残っていないのか神に問うてきた。もしそうなら喜んで次の世での使命を果たしにいくつもりだ」と話した。米国では重病からの生還を繰り返す奇跡の人としても知られていた。今回は再現とはならなかった。(編集委員 小柳建彦)



◆日経新聞社説
 クリステンセン教授の洞察

 盤石に見える巨大企業がなぜイノベーションに出遅れ、新興勢力に打ち負かされるのか。そのメカニズムを解明し、世界の経営者に影響を与えた米ハーバード大経営大学院のクリステンセン教授が死去した。
 経済の幅広い領域でデジタル革命が進み、教授が提唱した「ディスラプティブ(破壊的)イノベーション」という概念の重要性はますます増している。日本の大企業は自らの事業基盤をディスラプト(破壊)されないよう、イノベーションへの感度を磨き、大胆かつ素早く行動する必要がある。
 クリステンセン教授によるとイノベーションには「持続的」と「破壊的」の2種類がある。前者は例えばエンジンの改良が相当し、今の技術に手を加え少しずつ燃費などをよくすることだ。これは多数の技術陣やノウハウの蓄積がある既存大企業に強みがあり、産業秩序も簡単には揺るがない。
 ところが、ときに「電話からインターネットへ」「銀塩フィルムからデジタルカメラへ」といった飛躍的な革新が起こる。
 その時に旧来の技術にどっぷりと漬かった伝統企業は、粗削りだが進化のスピードの速い新技術の重要性を見逃しがちだ。さらに今まで高収益だった既存のビジネスを守ろうとして、それを脅かす新技術や新ビジネスを敵視する過ちを犯すこともある。 
 その典型が米国ではデジタルカメラ化の波に遅れたイーストマン・コダックであり、日本ではいわゆる「ガラケー」に注力し、スマートフォン市場で存在感を失った電機メーカー各社だろう。
 こうした破壊的革新を乗り切るカギは経営者の先見性や胆力だ。
 例えば、カーシェアが普及すれば、新車はマイナスだが、かといって新しい流れに背を向けるだけでは新規参入者に成長市場を奪われる。目先の販売を犠牲してまでも、新市場に布石を打つ戦略的決断が下せるのは経営トップだけだ。クリステンセン理論は経営者に覚悟を迫る理論でもある。



◇若い世代の皆さんには「イノベーション・オブ・ライフ」を読んでほしいですね。

「イノベーション・オブ・ライフ」は人生を考えるときに最適な一冊。


まとめ・要約|イノベーション・オブ・ライフ|クレイトン・M・クリステンセン|読書会で紹介された本一覧


◇「毎日の会員伝道がもたらす力」はあらゆる信仰を持つ方々に読んでいただきたい。世俗化、無宗教化の要因は、宗教指導者にも原因があると思います。生活の中で宗教の生き方を説く教えを実践し、御利益だけでは本当の幸せにはなれないものです。