幾望 十四日月 33/X
最高のご褒美
どうだ?
これでも・・・ケチって言うか?
うぅ~ん
もっと・・・ダメ?
起きれなくなるぞ!
いいのか?
うぅ~いい
寝坊したって・・・言う
ほんのり
ウンスの彩づく甘い美酒
心行くまで酔いしれ
抱き寄せ眠った
案の定・・・寝坊!
「送るか?」
慌てるウンスにチェヨンが
心配を言って来たが
勤務が合わないとカレンダーを見て
ウンスが断った
赤いプルプルのドアを開け
乗り込むと
チェヨンが屈み込み
顔を近づけると
当たり前のように
優しい口づけを交わし見送られた
唇に残る
チェヨンの温かな感触
チェヨンの香り
ぽっと頬が染まる
しばらく会えない
さっき見たカレンダー
めったに無いチェヨンの連休
それに合わす様
自分のシフトを変えたし
医局の総会もあるし
何よりも
警護部の総会も覗き見しに
行きたいし・・・
私も何を着よう
チェヨンにナイショで
ボブとボナへ相談しなくちゃ!
胸の谷間がくっきりの姐さま
勝てないけど
一応 講師だし 一応 隊長の
婚約者だし・・・
カッコイイ男子いるもん!
むふふぅ
遅刻しそうなのに
ハンドルを握るウンスは
少々 浮かれ気味
いつものように
病院の職員駐車場へプルプルを
停めると
慌ただしく走り出した
バックに着替えに上着
両手に抱え急ぐウンス
わき目もふらず
廻りなんか見ちゃいないその姿を
停めてある車の間に
とぎれとぎれ
ハンドルを握る目が捕えた
男がいた
こんな中途半端な時間
いつもなら
誰もいない・・・はず
その男は
もしものためにゆっくりと
車を進める
まさか
車が来ている事・・・ぐらい
見てるだろう~~
だが いるんだよなぁ
危なげな女は
どこにでも
チラついた顔は栗毛の髪
似ていた
どんどん近づく女
止まれよ止まれ
ぶつかるぞ・・・女!
キュ!
車が止まった
びっくりしたように
その女は
荷物を抱きしめ車の真ん前で
止まった
「きゃぁ!!!ごめんなさい」
そう言い
頭をぺこりと下げて
女は危なげに走り出し通り過ぎる
髪がなびき揺れ
栗毛の髪が光を浴び輝かせ
ルビ色に染める
「ウンス・・・・・・・」
男が呟き
慌ててドアを開け降りる
チラついた顔
危なげに走る姿を目で追う
クスッと笑うその眼は
嬉しさと懐かしさと
愛おしさ
相変わらずだなぁ
ウンス!
風に乗り
香る華の匂いは甘く優しく
ウンスの香り
ただ
自分の知らない香り陽の匂いに
艶やかな香りもして
ふぅっと
小さく息を吐く
「まったく いつ会えるんだ
Dr,ユウンス・・・」
その男は
ウンスが見えなくなるまで
見つめていた
ずっと見つめていた
寝室のベットの横の時計
昼間
ウンス先生や
若い隊長の妻たちから
久しぶりに聞いた
熱い関係
我が家はいつからだろう
冷え切ったベット
冷めた関係
パク隊長の妻は
何度も寝返りをして
天井と時計の針を見つめ
自分の夫の帰りを待っていた
今晩は
優しい言葉でも
かけて見る・・・?
誘ってみようかしらん
若い子には
負けたくないって そう思ったのも
本当・・・
うなじへ微かに
香油を塗ってみた
日が変わり
うとうとっとし始めた頃
パクの家の玄関が開き
主人の重い足音がして
リビングの明かりが灯った
昨日は
帰る気に・・・ならなかった
だが今日は
熱いシャワーを浴び着替えたかった
何もかも
忘れたかった
ネクタイを緩め
ソファーになだれ落ちるよう
体を沈めると
大きく肩から力を抜く
シーンと静まりかえった家
この静寂が
俺の心を癒す唯一の場所か
目を瞑る
考えても考えても
考えても
太刀打ち出来ぬチェヨン
「疲れた・・・」
吐けぬ言葉が口から出た
その時
向こうの方から
ドアが開く音がして
ぷんっと匂う
今 一番嗅ぎたくない香りが
鼻につく
足音は近づき
ソファーの前で止まり
「遅かったのね・・・」
「・・・・・・」
「寝たの?・・・」
「・・・・・・」
「そぅ・・・」
返事は無かった
しなかった
疲れ切ったパクの顔
じっと見降す妻の顔は
がっかりとしていて
ぷいっと
向きを変え歩きだす
歩きだしたその背を
パクは薄く目を開き見つめ
腕を伸ばし
妻の手を握ろうとした
だが
歩き出す速さが増し
静かにその手は降ろされ
リビングの灯りは消され
その足音は寝室へ向かう
久しぶりに見た
自分の夫の寝顔
疲れ切っていた
どうしてあそこまで
疲れているのか
解らなかった
今 までも そうだったのだろうか
気にも留めなかった
明日の朝
栄養のある物を作ろう
食べさせてあげよう
自分の中に久しぶり感じる
夫への優しさ
ようやく眠りにつく
翌朝 陽が昇る頃
リビングヘ舞い戻る妻
ソファーに眠る夫は
もうそこにも
家にも居なかった
「そう・・・出かけたの」
さっきまで
寝ていたであろうソファーに
妻が座ると
お手伝いが朝のお茶を運んできた
そして
キム室長の家は
どこからも誰からも
連絡は無く
ひとりキムの妻
ヘジュンは
当日着ていく服を
どこで作るか どこで買おうか
悩んでいた
服も靴もバックも
全て
一番高い物を選びたい
総会では
私が
私の夫が一番偉いんだもの
その総会にこの私が出向く
ならば
それ相当な服を選ばなければねぇ!
鏡を見て
にんまり微笑むヘジュン
あの人より
目立たなくっちゃ!
くふぅ・・・
キム警護部室長の周り
いつも
監視の目が就くようになった
そのことを
キムは気がつかない
もちろん妻にもだ
何軒か店を巡り
ようやく気に入った
赤茶のスーツ 総レース仕立て物
スカート丈は 短くして
胸元のカットを大き目V
高級ブランドの物
いつものように
カードを出し
チェックを済ませ通りに出る
その後ろをひとりがつけるのを
店員が怪訝そうに見つめていた
あれから
ヘジュンへ兄からの連絡が
途絶えたキム室長
そのことを妻
ヘジュンへは伝えていない
伝えるどころか
同じ家に住むのに
会う事も無なかった
「遅刻ギリギリ~~」
と 医局に来たウンスに
「いやいや 遅刻だ!」と
すっぱり言い切るチャンビン
「総会は遅刻するな!」
「ハイ もちろん・・・」
苦い顔で返事をし
患者の様子を引き継ぐ
しっかり 頭の中は切り替わり
あくせくと 治療をこなし
休憩になると 携帯を握る
「幸せそうだな・・・ウンス」
「先輩程でも・・・」
「総会 しっかり めかして来い」
「まぁね~~~」
にんまり笑い返事する
ボナに頼んで髪だけセット
着ていく服は この前のスーツ
ストレートにしてもらう
どうせ
お茶くみだし
終われば
夜勤そして日勤こなして
また 夜勤・・・
「次の日から連休頂くもん~」
「俺は 二日酔いで連休頂きます」
「一緒に行くか? 乗せていく」
「うん じゃ~拾って」
その日
ボブの店に送ってもらい
着替えを済ませたチャンビンが
また ウンスを拾いに来る
車が止まり
中からチャンビンが降りて来て
ボブたちにお辞儀をすると
ボナが
「いい男だ!チェヨンに
言いつけようかなぁ~」
「ダメよ!怒るし・・・きっと」
「だろうよ~~!」
ボブがからかい
チャンビンも
「やけにめかしこんだなぁ~
孫にも何とか! 彼奴に
見せるためか?迎えに来るのか?」
何て言ってまた からかう
チッと睨み
チャンビンの車に乗ると
しっかりトギもいて
帰りはトギの運転でチャンビンは
帰る予定なのだと初めて知った
「帰り ウンスも送るぞ」
「いい~お邪魔でしょう
タクシーで帰るわ!」
あしらうように言うと
手元の携帯が鳴り
トギが 名前を確認すると
“チェヨンに頼めば”
って 簡単に言うけど
迎えに行く連絡しろ
仕事でしょう
抜ける
じゃ・・・病院まで送って
任せろ
LINEを打つ手を
トギが
助手席から覗き込み
ニヤニヤしながら 隣の
チャンビンへ伝えてたら
「ところでウンスやぁ
お前 ERに来たぞ」
「何が来たの?」
「すっかり忘れていた 話すの」
「だから 何を!」
トギが
チャンビンの腕をひっぱり
睨むように怒っていた
“また 忘れていたの!”
手が話し後ろを向いて
トギが
“此奴すぐ忘れる!なんでも おバカだから”
「うるせぇ~ 男だ」
「男!」 “男”
「そう 男!」
「誰・・・?」 “誰よ”
2人が同じことを聞く
「名前・・・聞いてないしぃ~」
「はぁあ!?」 “ほら おバカ”
「多分・・・医者だ!!!」
自信ありげに言う
チャンビンの言葉に
2人は呆れたように顔を
そむけ笑う
「どうしてそう思うの
白衣でも着てた?」
「いいや 着てなかった!」
“だったら どうして”
「感・・・!!!」
ウンスとトギ2人は見つめ合い
眉毛しぼめ そして
ハァハハ・・・って高らかに笑いあう
「きっと今日 来てると
思うんだけどなぁ・・・」
“ほら でたでた”
「先輩の大感違い~~」
微かに
消毒液の匂いがした男は
Dr、ユウンス
って 聞いて来た
各部署ごとに座り総会が始まる
ERのスタッフは
研修医も含め多く医局長はご満悦だ
早々に 親睦会が始まり
会場の中を ウンスやトギたちが
所狭しと歩き笑顔を振りまく
壁の端に寄りかかり
2人を目で追うチャンビン
この中で
薬剤に関しては トップに立つ
トギ
誰しもが憧れる Dr,華佗 の弟子
ウンス
2人は どうしても 羨望の眼差しと
妬みの的
チャンビンの心配しながら
生ぬるいグラスの酒を口に入れた
同じように
ウンスを追うもう一人の男の
視線を見つけた
あの男だ
感は当った
やっぱり医者だ
誰だ彼奴
ウンスの事を追う
あの男
PS おばんです
もうすぐはじまりますよ~~
いつも一緒に見る 友達が 準備 OK って
LINE してきました
あせる~~~
早く 私も繋いでおかねば・・・
さくっと お風呂に入ってきます
動画 見つかったらば
UP しますね
