ブルガダ症候群の治療は除細動器を入れる他にありません。薬で発作を減らせるかもしれない、というものもありますが、有効性ははっきりしていません。
除細動器は有効性がはっきりしています。心室細動が起こればほぼ100%止めることができるそうです。
ところで、除細動器(ICD)とペースメーカーは厳密には異なるもののようです。
除細動器は心室細動を電気ショックをかけて止めるもの、ペースメーカーは遅くなった(間隔があきすぎた)心臓にもっと軽い電気刺激を与えてリズムよく心臓が動くようにするものだそうです。
もちろん、両方の機能を持ったものも存在します。
大きさはICDの方が大きくなります。これはペースメーカーの刺激より、除細動に必要な出力の方が大きいためです。
共通点は、本体を左肩の皮下に埋め込み、本体につながってるリード線という電線を心臓の中(心室)にネジ留めします。
リード線と本体で心臓を挟み、心臓の動きを監視して、電気刺激やショックを与えます。
また2016年2月よりSICD(皮下植込み型除細動器)が保険適用になりました。これは本体だけでなくリード線も皮下に設置します。つまり血管の中には何も入れないのです。感染症の危険性が(ICDでも高くないが)低くなります。というか感染症を起こしても直接血管には入らないので危険性が低いようです。もし感染症を起こしても、皮下なのでリード線抜去のリスクが小さいです。
SICDはICDに比べてリードがシンプルで衝撃に強く、また筋膜に結紮して固定するため、リード線がズレてしまう可能性が低くなってます。左腕も自由に動かし、重たいものを持ってもOKだそうです。
欠点もあります。ペーシング機能といって、ペースメーカーのように小さな電気刺激で心拍を調整する機能がありません。不整脈の種類によってはペーシングを行うことで、除細動をかけずに済むものもあります(除細動は、本人の意識があるとかなりの衝撃だそうです)。
SICDは大きいです。ペースメーカーは500円玉大ですが、ICDはそれより大きくなり、SICDはさらに大きく、現在保険適用になっているものは
65.5x78.2x15.7mm
です。
これは、皮下という心臓から遠いところから除細動をかけるため、ICDでは35J(30J?)の出力に対し、SICDでは80J(ジュール)の出力が必要になるためだそうです。
さて、2015年4月に入院してEPS試験を受け、ブルガダ症候群と診断された私ですが、いくつかの選択肢がありました。
なお、結論は退院後の定期受診時に伝えることになってました。
①治療しない。
ブルガダ症候群にガイドラインがありますが、私に失神や気絶の既往なく、絶対適応ではありませんでした。ただし、入院した大学病院での主治医や検査を担当した医師など、関与した数名の医師の意見は一致して除細動器を入れるべき、でした。
ブルガダに関する文献を(英語だったのて、必死こいて)読みましたが、(お願いしたら医師も2つ文献をくれました、自分で探しても見つからなかったもので参考になりました)、危険性はやや高く見積もって年間3%くらいと思われました。これは定期受診時に主治医にも確認しました。
ちなみに、「治療しない」を選択しなかった1番の理由は、妻子がいることです。
独り身であれば、親には申し訳ないですが、ブルガダ発作なら苦しまずに寝たままポックリ行けるので、除細動器を入れる危険性や入れたあとの生活制限を考えたら、治療しない、を選択したと思います。
②ICDを入れる。
退院せず、そのままICDを入れる選択肢もありましたが、入れずに退院しました。そこに明確な判断基準はありませんでした。
③SICDが使えるようになるのを待っていれる。
EPS試験の結果を担当医師から受けたとき、海外にはSICDという装置があり海外では実績があること、日本で使えるようになるには1~2年かかることを説明されました。
このときは、SICDに魅力を感じましたが、いつ使えるか分からないかものを待っていると、その間に発作が起きることが怖かったです。
実際、EPS試験の退院後しばらくは、夜寝るとき、次の朝は目が覚めないのでは?という気持ちが払拭できませんでした。
しかし、2015年6月の退院後初受診の前に、SICDが承認されたとの情報をゲットしました。
退院後初受診のとき、主治医にSICDを入れたいと伝えたところ、評価額が出てないので使えないと言われました。
これは、SICDを日本で使って良いけど、まだ保険適用になってません、ということでした。また、評価額がいつ出るか不明で、大概は突然アナウンスがある、との主治医の説明でした。
期待していただけに残念でしたが、承認が通ったことは確認出来たので、主治医とも相談し、SICDの評価額が出るのを待つことにしました。
上の方に、ICDでは血管内での感染症の危険があると書きましたが、主治医によると、ICD本体の交換を繰り返すほど感染症の危険性が高くなるそうです(本体の寿命はおよそ5年、リード線の寿命はおよそ15~20年。危険性が高くなると言っても元々が低いのでそれほど心配いらないようですが)。ということもあって待つことにしました。
次の2015年10月の受診時でも評価額は出ていませんでした。
次の2016年4月の受診時に主治医からSICDが使えるようになったと言われました。
それまでは、インターネット等で調べてもSICDの情報は少なかったです。
今は検索するとたくさん情報が出てくるので、こらから治療を選択する人が少し羨ましいです。