飼い主の迷いに働きかける言葉 | 渋沢どうぶつ愛護病院のブログ

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日々感じたことを、ときどき綴ります。

 

「うちの犬なら、こうします。」

飼い主は、獣医師の、この言葉に、どうやら安心するらしい。

 

「先生なら、どうしますか?」と聞いてくれる飼い主はいるが、

おそらく、ほとんどの人は聞かないだろう。

 

仕事上、処置や治療について、データがあることや、経験的なこと、

正しいとされていることを話すことはある。

 

でも、それがすべてではない。

人それぞれ感情がある。

 

そんなときに、獣医師が、飼い主としての立場で、

自分の犬に、自分の猫に、同じことをするか、

まっさらな想いを打ち明けてもいいような気がしている。

 

「自分ならこうします。」とか、「自分ならしません。」とか、

あくまでも個人的な意見として、正直な気持ちを言う。

 

一度、そういった機会に出くわしたとき、

「それが聞きたかった!」と言われたことがあった。

迷える飼い主の背中を押すこともあれば、思いとどまらせることもあるようだ。

 

すべての責任を取れるわけではないので、安易な発言はしないようにしているが、

そういったやり取りがあってもいい。

 

 

 

院長 渡部伸一