緩和ケアで、癌闘病されている患者さんとお話しをさせてもらうことがたくさんありました。

 

それを、“つらい”とか“しんどい”とか

そんなことを思ったことはなかったのですが

上司からの言葉で傷つき、精神的にボロボロになっていた時期がありました。

ちょっとしたことで涙が止まらないのです汗汗

 

相手の上司の考え方や発言が悪いとかいうことではなく

自分自身のこころが未熟でした。

自律神経はすっかり乱れてしまい、暴飲暴食が続きました。

自分のことが嫌になり、何をやっても楽しくない。寝つきが悪いし、熟睡感がない。

考えることは、過去の後悔や人のせいにすること、将来の漠然とした不安・・・そして何かにつけての言い訳。

なんとかしたいと思っても、どうしたらいいかわからない。

いろいろ試してみて、なんとなく『いいんちゃう?』と感じられたのがヨガでした。

 

人生初めてのヨガ。

訪れたのはホットヨガのスタジオ。

じんわり体を動かして発汗するのが心地よく

通っているうちに、いつの間にか涙を流すことが減り

数か月続けていると、精神的に安定していると感じられるようになりました。

 

何も知らない状態で、始めたヨガでしたが

いろいろと学びを深めていくと

ヨガとは幸せになるためのツールであることがわかりました。

 

自律神経が乱れていた頃そうだったように

過去とか未来とかのことばかり考えてしまっていて

「今、ここ」という瞬間にとどまることができていませんでした。

だから、後悔や不安といった感情を抱き、いつも不幸感でいっぱいでした。

 

ヨガで心をコントロールすることができるんですね。

 

そのための方法として

 

瞑想で心身を落ち着かせて集中していく

呼吸をコントロールして内面に集中して心を落ち着かせる

ポーズで体を整える

 

というのがあります。

 

体が硬いからできないとか、難しいポーズは無理

といったイメージが私にもありました。

でも、続けていくと、心の変化を感じることができたのです。

 

そんな時、癌闘病中の患者さんから

「ヨガしたいけど、街中のスタジオとか行きにくいわぁ。体力心配だし、気軽に行かれへん。」

という声を聞きました。

たしかに、私もスタジオの扉をノックするのに、かなりの勇気がいりましたし

闘病中であれば尚更敷居が高く感じてしまうのも当然だと思いました。

 

それでもヨガで幸せを感じることができる人が増えてほしい

病院でもできるヨガを普及したい

という思いで、スクールに通い

ヨガインストラクターの資格をとりました。

 

癌患者さんが交流できる『がんサロン』を定期的に開催していましたので

その場を借りて

癌患者さん向けのヨガ

を行うことができたのです。

勤務先の病院としては、初の試み。

 

とにかく、ケガのないように、症状が悪化しないようにと、細心の注意をはらいながら

でも、和気あいあいとした雰囲気づくりをし

顔ヨガで変顔もいれながら、楽しんでもらえるようにという思いで

私も楽しませてもらいながら・・・

なんとか無事に終えることができました。

 

参加してくれた方のほとんどがヨガ初体験!!

1番若い方で40代、1番なご年配な方は80代!

平均年齢70歳!!

 

普段伸ばしていないところが伸ばせて気持ちがよかった

呼吸が深まった

家でもやってみます

またやりたい

 

などなど、こちらも嬉しくなる感想をいただきました。

 

気持ちよく体を動かせなくても

呼吸すること

瞑想すること

これも、ヨガです。

ヨガを実践する人のことを、男性はヨギー、女性はヨギー二と呼びます。

 

誰でも、ヨギー、ヨギー二になれます。

そして、どんな状況でも行うことができます。

 

ヨガを続けていければ、「今」に意識を向けられるようになり

過去とか未来にとらわれるということが少なくなり

生きていくエネルギーを高めていくことが可能になります。

 

ヨガで人生を豊かにできる人が増えるといいなと思います照れ

 

いつかまた癌闘病中の方とヨガができる日が訪れることを願って、ヨガの実践を続けていこうと思いますビックリマーク

 


がん・腫瘍ランキング