ベランダの梅が咲き始めました。
その光景をみていると、なんだかリラックスした気持ちになります。
病院での勤務時代
「体の声」
聞けてませんでしたね。
毎朝ばたばたと家事をこなし、満員電車で職場へ向かって。
仕事中は、1日のタイムスケジュールがびっしりで。
お昼の休憩時間は、電子カルテとにらめっこしながら。
食事しながら、患者さんの情報収集をするんですよ。
ありがたい食べ物には意識を向けずに、意識は次にやること、次の予定。
そして勤務時間外の仕事のこと。
看護師さんって、正義感だったり、責任感だったり、使命感だったり、そういう“感”をたくさん抱えて仕事をされている方が大多数なんじゃないかなと思います。
〇〇さんのために・・・とか、ありがとうと言ってもらえる、喜んでもらえる、やりがいがある、そんな思い込み、私にもありました。
私は、緩和ケアを専門にしたいと思って、緩和ケアの認定看護師という資格をとり、それこそ使命感をもって、頑張ってました。
認定看護師って、水準の高い看護を実践する役割を求められるのです。
そりゃあ頑張りますよ。資格取得のために、時間とお金をかけて、勉強しましたし。
資格が取れてからは、周りから期待され、その期待にも応えようと、何より患者さんやご家族に還元したいという思いでいっぱいいっぱいでした。
とにかく毎日が忙しい、忙しい・・・
子どもたちとの時間もとれず。いや取ろうとしていなかっただけかも。
家に帰ると、すでに就寝後の娘からの置き手紙。
『いつも はたらいてくれてありがとう。さみしいけどがまんするね。おしごとがんばってね。』
って、書いてあるんです。
“母ちゃん頑張るでぇ~”応援してくれてるわ。心置きなく頑張る!
あぁ 勘違い。
頭で頑張ろうとしているんです。
そして頑張って、毎日くったくた。
“こころ”は何処へ・・・?
娘は寂しがってるんちゃうん?気付いていながら、目をつむる。
私はどうしたい?そんな問いかけもせずに。
忙しい・・・心を亡くしていましたね。
そんなある日、猛烈な頭痛に襲われました。
「きっとストレスのせい。少ししたらよくなる。」
自分の体調を過信していました。
けれども、一向におさまらず、もしかしたらと思い、血圧を測ってみると・・・
なんと200オーバー。衝撃でした。
これまでにも体はサインを送っていたのだと思います。
その体の声を聞いてこなかった。そしてとうとう体が悲鳴をあげた。
結果、降圧剤を飲み始めることになるのです。
患者さんの血圧測定はするのに。
体調を、食欲を、睡眠状態を、精神的な状態を確認するのに・・・。
自分のことは何一つ確認できていなかった・・・のです。
リラックスすることが苦手でした。
忙しくしていることが当たり前。頑張れている自分を感じられていたし、そうしていないと落ち着かないという感じでした。
でもそうじゃないんですよね。
もっと自分のことに目を向けて、労わってあげて、体の声、こころの声を聴くことの大切さを知ったのです。
一日動いた体をお風呂の湯船に使って、リラックス。
お風呂上りに、体をほぐすヨガをしてリラックス。
寝る前に、からだに意識を向けるマインドフルネスをしてリラックス。
リラックスできることって、こういうこと?
たくさんのリラックスする方法を最近になって体感することができています。
それほど、心を亡くしていたのです。今までは。「忙しい」を言い訳にして。
やはり、脳の働きを休めることが必要ですね。
それには、瞑想がいいですね。
呼吸に意識を向けるのです。
今もやることはあって、座る暇もないぐらいの時もよくあって、前の私だったらきっと「忙しい」って表現していたと思うのです。
時間はあっという間に過ぎるし、体も疲れているはずなのに、楽しいんです。
やりたいことをやれている喜びがあります。
こころが喜んでいます。なので、からだが疲れたという感覚にはならないのです。
3年近く、内服していた降圧剤。今では飲まなくてもよくなりました。
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