ずっと閉ざしていた異性との関わり

 

婚姻という制度の中ではもちろん

離婚後も、鳥籠の入り口が空いているのに

外へは飛び出さないでいた。

 

自由を求めていながら

 

「片思いの好きな人」の存在は、

 

鳥籠の外にいるようで

もうひとまわり大きな鳥籠でしかなかった。

 

突然現れた男性に感じた熱くなった身体。

 

出会ったその日

男性とハグをした。

 

話も弾んだ。

 

こんなにも偶然が重なることがあるんだ!

 

って驚きを通り越し笑ってしまった。

 

世の中の一番小さな粒子があるなら

その粒子と粒子がくっつく

くらいの偶然。

 

運命の人。

 

その日の日記にもそう呟いていた。

 

にも関わらず

 

「運命の人」とは「偶然の人」でしかなく

感情は片思いの人への「好き」を

手放せなかった。

 

手放したとき

全てを知っていたんだろう。

 

彼は既に私が溶け出すくらいに

やさしかった。

 

でも唯一残念だったのは

私の片思いの「好き」という感情を

私の身体から引き離そうとした。

これさえあれば生きていけると思った感情。

 

彼は強引にディープキスをしてきた。

 

そう心は思ったけれど

全く抵抗してない私の身体。

 

彼の舌を私が求めていた。

なんて柔らかいんだろう。

 

絡み合った舌

 

と同時に

頭の中では

彼と出会った瞬間の

数日前、たった数時間前までの

苦しみにあった「好き」に

ディープキスの続きを求めようとした。

 

好きな人と結ばれたい

 

セカンドバージンは

本当にバージンなのかもしれない

 

私の教室の片隅で見つめていたいだけの恋に

大胆なことを思う

 

ディープキスをした後

苦しみへの「好き」に帰ろうとした私に

彼は私の思いを尊重してくれた。

 

苦しみへの好きにすぐに告白をした。

そしてあっさりフラれた。

 

すぐに突然の告白

 

ディープキスの続きは

出会ったばかりの彼としたかったんだろう。

 

開けっぱなしの扉をしっかり閉めて

新しいところへおいで

 

って彼は言ってくれたのだろうか

 

私はディープキスにもっと感じたくなっていた。

 

彼は「感情はノイズだよ」と

何度も繰り返してくれていた。

 

3年間思い詰めたノイズ。

今なら「ノイズ」だったとよくわかる。

 

とにかく苦しかったから。