戦中生まれの母に事あるごとに

「こんな良い時代は続かない、いつか食糧危機が来るとばい」

と言われて育った。

父はコンクリートブロックで組んだ倉庫に、ドラム缶数本分の灯油を備蓄していた様な人間である。

 

そんな二人の子である私に備蓄癖があるのも、当然なのかもしれない。

特に食料は常にストックしている。

お陰でコロナ発症で自宅に籠った療養時も、食料購入の必要が無かった。

缶詰、冷凍野菜、トマトジュース、パックごはん、乾麺、カップ麺。

いつ買ったか忘れる程にストックしてある。

 

さすがに古いものから消費しないといけないと思い、カップ焼きそばの賞味期限を見て驚いた。

半年近く前に切れている。

普通なら捨てる一択だろう。

だが私は思った。

「焼きそばなら湯切りするんだし、まだ食えるはずだ・・・・」

 

蓋を開けて麺の匂いを嗅ぐ。

こうゆうとき嗅覚というのは重要だ。

特に異常なにおいはしない。

説明書き通りにお湯を入れ、湯切りをしてソースをかける。

ソースの匂いにも異常は感じない。

普通に旨く完食した。

念の為、いつもより多めに整腸剤を飲み就寝。

 

そして翌朝・・・・

 

何事もなく朝を迎え仕事に向かった。

日本製の食品は優秀だと再認識した。