Photo  遅ればせながら季節感を味わいたく、花火大会なんぞどーかな?と探してみたところ、小山のサマーフェスタを発見。規模関東一、打ち上げ数二万十発(十発って何だろう~)というふれこみ誘われて出かけてみた。



 8月29日、連日の猛暑にすっかり参ってしまい、出発時間をずるずると延ばして、ようやく腰を上げる。エアコンにあたりながら、ごろごろ転がっていたひぃ様もいつの間にか浴衣姿に変身していた。気合い入っとるなぁ・・・。余裕は1時間だけとってある。東北自動車道を南下、白河に達する・・・と即渋滞。そこから矢板まで2時間も費やしてしまった。既に夕方の5時を回り、栃木で降りて小山に到着するには、どう見ても2時間以上は掛かる。スタートは7時15分だからもう大ピンチだ。せっかく観覧席まで取ったのにー!焦る思いでアクセルを踏む・・・。



 小山市に差し掛かったところで、開催の合図が打ち上がった。「早いとこ観覧席と駐車場を探さねば・・・。」連なる人並みの向こう、思川の河岸らしいあたりに、立ち並ぶ夜店が見える。溢れんばかりのすさまじい人出だ。警察官の誘導灯に促されるままにハンドルを切ると、すこしずつ街の中心を外れていく気配。気がつけば国道50号線に乗っていた。小山大橋を渡りながら、川原から夜空に向けて弾け散る花火を横目に観る。うらめしや。どうやら方角を間違えたらしい。しかし道路は大渋滞で動かない。やむなく娘だけでも観覧席に向かわせようと車から降ろした。彼女は来た道を戻り、車は測道へ。そうして僕たちは最後までバラバラの行動を取ることになってしまう。後になってみれば僕の記憶違いが起こした顛末だったと解ったのだけれど・・・。二人は別々に引き返して夜店を目指した。空き地という空き地は既に満車状態、車はどんどん町外れに押し出されていく。いつの間にかまた橋を渡り、遠のいていく原色の花模様を振り返りつつ国道4号線に出た。「4号線?」そこではたと気がついた。東西を読み違えていたのだ!・・・。「今、さっきのお店のとこっ!」携帯の向こうで娘が息を切らせいる。彼女は既に2キロ近く歩いてそこまでたどり着いていた。しかし、残念ながらそこは対岸だったのだ。僕は進まない車列の狭間で、窓の先に時折垣間見える眩い光の乱舞を追いかけていた・・・。観客動員は主催者発表で53万人という。なるほど凄いわけだ・・・。



 ・・・花火大会は終了し、結局二人とも観覧席にはたどり着けず、六千円のチケットは水の泡となった。帰途につく大勢の人並みにもまれながら、更に1キロほど観晃橋を国道まで歩き通した娘を拾って、高速に向かった。「一人で寂しかった。」そう呟いて、すっかり疲れ果てた彼女は黙りこんでしまった・・・。



あとで、彼女の日記を覗いてみると「迫力満点でした。・・・今日にありがとう。」と書いてあった。な~んだ。・・・娘の足に鼻緒のすれ痕がくっきり付いている。ちょっと痛々しい夏の名残り・・・。少々胸が痛む。それじゃあ10月の土浦でリベンジするかぁ~。早速ヤフオクで桟敷席を探している。懲りないねぇ~。