29日、かねてより楽しみにしていた裏磐梯の紅葉。母を伴って裏磐梯高原ホテルへ。猪苗代から登る道々、色づいた木々が視界に飛び込んでくる。さすが行楽シーズン、県外ナンバーが多い。五色沼の手前で渋滞。やむをえない。駐車場がごった返しているのだ。ようやく抜け出して桧原湖まで来ると、嘘のように街道が空く。なんなくホテルに到着。普段見慣れない観光バスが並んでいる。レストランの席が空いているか。心配しながら車椅子を押す。
既に12時は回っていたものの、かろうじてテーブルに着くことが出来た。大きなガラス窓の向こうに秋のパノラマが広がっている。美しい。今日はお勧めランチが無いので、ビーフカツレツとハンバーグを頼んだ。病院での味気ない和食に閉口している母は、肉を調理した洋食を好む。牛肉を包んだころもがこんがり揚がっている。食べやすく切り分けてやると、美味しそうに頬張った。僕はハンバーグにナイフを入れる。独特の軽い手ごたえ。メニュー選びに迷うと必ずハンバーグを頼んでしまう。ちょつと子供っぽいが、このジューシーな肉の柔らかさが好きだ。荒引きで、ナツメッグが利いているとなお良い。食後のコーヒーをゆっくりいただいて、庭に出た。
テラスの先、沼の淵まで歩を進める。天候が良く暖かい。穏やかな風が顔をくすぐる。対岸の向こうに鎮座する磐梯山の広大な後姿。裾野を彩る赤や黄に輝く森。一番良い季節だ。母は眩しい眼差しで遠くを望む。こういうひと時の安らぎもいい。世事を忘れて大自然に溺れる。木々の息吹を吸い込む。命が洗われる・・・。
翌週5日、またも晴天の日曜。行いが良いのはいったい誰だろう。猪苗代町内を磐梯山の麓に沿って西へ。スキー場の入り口近くにイタリア料理アンクルがある。名前の通りおじさんがひとり、厨房で孤軍奮闘している。次々と押し寄せる行楽客が畳み掛けるように注文を出す。若いウエイトレスが走り回る。ようやく出された野菜サラダとオリジナルビザとズワイガニのクリームパスタ。体調の良い母は、半分を綺麗に平らげた上にケーキが食べたいと言う。ティラミスとチーズケーキにカフェラテをいただく。これでお土産にお饅頭を買ったら、きっと看護士さんに叱られるな。
あまりの良い陽気に誘われて、天鏡台に登ってみた。眼下に広がる猪苗代湖、背後にそびえる磐梯山。そこに鮮やかな紅葉が映える。途中に広がる牧場。数頭の馬が気持ちよさそうにしている。近辺を存分にドライブしたあげく、母を送り帰途に着く。少し遊びすぎたようだ。猪苗代湖の湖畔に夕日が沈んでゆく。暮れ具合が早まった。追いかけるように夜のとばりが降りる。冬が近づいている・・・。



















