萬福寺さんの仏像もそれまでの日本では見られないような中国風の様式となっています。
それは日本の仏師ではなく、中国の范道生(はんどうせい)という仏師を起用し、すべてを中国様式で進め、萬福寺の諸堂に安置された諸像は范道生の作ないし范道生指導の下で像造されたものと伝えられ、他の禅宗の仏像とは趣の異なる黄檗宗独特の異国的な魅力をたたえています。
ちなみに、萬福寺に残る范道生作の尊像は「大雄宝殿」の十八羅漢(らかん)像、「開山堂」の隠元禅師像、「祖師堂」の達磨大師坐像、「斎堂」の緊那羅王菩薩像、「天王殿」の布袋(弥勒菩薩)、韋駄天、「伽藍堂」の華光菩薩、「禅堂」の白衣観音坐像など、27体に上ります。
本堂の手前に配置されている天王殿の内部には弥勒菩薩の化身とされる布袋像が安置されています。
この像は日本で著名な半跏思惟形の弥勒菩薩像とは全く異なり、太鼓腹の布袋像として表わされていて、黄金色に妖しく輝いていました。
布袋像の背後には韋駄天像を安置されています。
他には堂内左右に、持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王像が安置されています。
本堂である「大雄寶殿」には本尊釈迦三尊像(脇侍は阿難と迦葉)、十八羅漢像が安置されています。
十八羅漢像はそれぞれの表情が面白く見ていてあきません。
なかでも「羅怙羅尊者(らごら・そんじゃ)」なんかは衝撃的でした、お腹を両手で開いて、その中から仏様が顔を出しています。
残念ながら、写真撮影はまともに逆光になり失敗しました。