ガルパンの『雪の進軍』を聞いて思うこと
『雪の進軍』という曲をご存知だろうか。雪の進軍氷を踏んで どれが河やら道さえ知れず馬は斃れる 捨ててもおけず ここは何処ぞ皆敵の国ままよ大胆一服やれば 頼み少なや煙草が二本焼かぬ乾魚に半煮え飯に なまじ生命のあるそのうちはこらえ切れない寒さの焚火 煙いはずだよ生木が燻る渋い顔して功名噺 「すい」というのは梅干一つ着の身着のまま気楽な臥所 背嚢枕に外套かぶりゃ背の温みで雪解けかかる 夜具の黍殻しっぽり濡れて結びかねたる露営の夢を 月は冷たく顔覗き込む命捧げて出てきた身ゆえ 死ぬる覚悟で吶喊すれど武運拙く討死にせねば 義理にからめた恤兵真綿そろりそろりと頚締めかかる どうせ生きては還さぬ積り 日中戦争の頃の軍歌です。今ウクライナで戦っている両軍の兵士を思った。ウクライナの兵は国防という大義があるが、ロシア兵たちは四番の歌詞以外そのまま何じゃないかな、訳も分からず徴兵されて目的も分からず戦地に送り込まれている、上官は温かいところで過ごせても兵卒はそうも行くまい。火筒の響き遠ざかる 跡には虫も声たてず吹きたつ風はなまぐさく くれない染めし草の色わきて凄きは敵味方 帽子飛び去り袖ちぎれ斃れし人の顔色は 野辺の草葉にさもにたりやがて十字の旗を立て 天幕をさして荷いゆく天幕に待つは日の本の 仁と愛とに富む婦人真白に細き手をのべて 流るる血しお洗い去りまくや繃帯白妙の 衣の袖はあけにそみ味方の兵の上のみか 言も通わぬあだ迄もいとねんごろに看護する 心の色は赤十字あないさましや文明の 母という名を負い持ちていとねんごろに看護する 心の色は赤十字 せめてこの曲のように思い看護してくださる方の存在を祈ります。 少し説明します。頼み少なや煙草が二本 >>兵站が追いついていません、補給がありません。焼かぬ乾魚(ひもの)に半煮(はんに)え飯になまじ生命(いのち)のあるそのうちはこらえ切れない寒さの焚火煙(けむ)いはずだよ生木が燻(いぶ)る渋い顔して功名噺(ばなし)「すい」というのは梅干一つ >>>敵に見つからないよう焚き火が制限されています、その焚き火の燃料もそこらで雪の中から掻き出した湿った小枝、そんな中で自分の手柄話を多く語る男に対しうんざりして『手柄話も一話だけなら粋なんだけどな』。月は冷たく顔覗き込む >>この『月』は死神の事、つまり凍死の恐れがあり死神が顔を覗き込んでるという意味。義理にからめた恤兵真綿 そろりそろりと頚締めかかるどうせ生きては還さぬ積り >>恤兵真綿は慰問品の真綿入の防寒着。『真綿で首を締める』という慣用句に掛け、絡めてそろりそろりとゆっくり殺しにかかっている、そして最後に軍部は生きて還さぬ積りだろうと言う意味。次の婦人従軍歌の最初の方はもっとエグいです。風はなまぐさく くれない染めし草の色 >>血に染まった草原です帽子飛び去り袖ちぎれ >>帽子と言っていますが頭です。 >>袖と言っていますが腕です。斃れし人の顔色は 野辺の草葉にさもにたり >>野辺の草葉は哀れを意味します『斃れし人』は哀れな状態です。まくや繃帯白妙の衣の袖はあけにそみ >>包帯を巻いているナース服の袖が血まみれの意味です。母という名を負い持ちていとねんごろに看護する心の色は赤十字 >>エグいのばかり続きましたが、最後は『看護する心の色は赤十字』と締めてありなんだかホッとします。