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上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海生活の合間に聴いた音楽や見たスポーツなどの記録を残します。

日時:2024 年10月27日(日)14:00~

会場:市原市民会館大ホール

指揮:小出英樹

演奏:市原フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン :交響曲第2番ニ長調作品36             

ブルックナー:交響曲第6番イ長調(ハース版)       

感想:

 この1か月ほど、コロナに感染したり足を怪我したりと行動しづらい状況が続き、行きたいコンサートも買いそびれるなどがあって暫く鑑賞に行けない時間が続いてしまった。

 ようやく状況も落ち着いたので何とか直近でも買えそうなアマ演奏会を見つけ訪れてきた。

 私の家からは結構遠いのだが、まあブルックナーを聴くためなら、というところである。

 会場は市原市民会館で内房線の五井駅からバスで20分ほどかかり、想像より都会ではないことに少し驚く。

 1974年の完成で今年がちょうど50周年のいわゆる典型的な公共ホールであり、大ホールは1527席収容のプロセニアム形式の舞台だが、客席は左右非対称のワンスロープ型となっており、後方席は舞台までやや遠い。

 今回のオケは市原フィルハーモニー管弦楽団でホームページを見ると1992年創立で、設立メンバーは恐らく第2次ベビーブーム世代なのかと推測する。

 2年に3回の定期演奏会を行っているようで8か月サイクルなのか隔年2回なのかはわからないが今回は第44回目のようだ。

 指揮の小出英樹氏は千葉大大学院出身の方で、普段は小中学校で音楽を教えているいわゆる学校の先生のようであり、他にもアマオケを幾つか掛け持ちされているようだ。

 

 今回本番前に、指揮者無しでパートごとにロビーコンサートが行われた。

 ストリングス、金管、木管とパートごとに演奏が行われ、弦はホルベルグ組曲第1曲とシベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォ、金管がヘンデルのハレルヤをモチーフ?にした曲、木管が久保田早紀の異邦人、そして全体で名探偵コナンの曲が演奏された。

 曲ごとの感想は省略するが、コナンの曲を聴いていると、楽器の多様性はあるがメロディはボーカル旋律だけなので、それ以外のクラシック曲に比べメロディラインが単純すぎて、演奏としては面白みに欠けるのだなというのが正直な感想だった。

クラシック音楽の複雑な旋律が絡みに私は惹かれているのだと改めて感じた。

 

 さて本番のために会場に着席していると、メンバーが入場して来た。

メンバーは事前の推測通り、比較的年齢層が高めで、若いメンバーもちらほら混じってはいるが平均年齢は高そうだ。

 

 前半のプログラムはベートーヴェン交響曲第2番

 ややゆったり目のテンポでスタートする。

 第1楽章は第1ヴァイオリンの音程が揃いきらないが、ヴィオラ・チェロなどの中低域は安定しているように聴こえ、全体としてもそこそこの演奏になっている。

 トランペットなどの金管群やフルートらの木管群も堅実にこなしているようで、輝きがあるほどではないが、安定していて不足はない。

 テンポも無理をせず、全体がまとまる範囲で特に崩すこともなくオーソドックスに進むので刺激には欠けるが、音楽としては堅実に進む。

 第2楽章の緩徐楽章ではホルンが若干フラフラしていたが、全体としては安定していて、クラリネットとファゴットが渋く光って曲を支える。

 第1ヴァイオリンの不揃いがやはり気になるが、一番目立つ旋律を弾くので仕方なくもある。

 スケルツォの第3楽章ではホルンが踏ん張り、揃った音を聴かせる。

 オーボエの歌いもまずまずで花を添えており、ファゴットのリズムとともにしっかり曲を支える。

 リズム的には全体的にオーソドックスな流れだったが、途中に変な間があったのが少し気になった。

 第1ヴァイオリンの苦しさはここでも改善されない。

 最後の第4楽章ではチェロの渋さやクラリネットの響きが光る。

 木管群の成否が成功を決めると言っていいベートーヴェンの交響曲だが、しっかりと曲を形成しており、ヴァイオリンの弱さをカバーしたしかりとした演奏になった気がする。

 

 後半はブルックナー交響曲第6番で彼の曲の中では短めな曲だがそれでも60分大曲である。

 冒頭から弦のリズム強調がやや弱く、コントラバスは強く入ってきたが、この曲の導入としては印象が弱くなる。

 ホルンが音色に苦労していた印象で、曲がスムーズに流れていかない。

 前半とコンマスは別の方が務めていたが、第1ヴァイオリン相変わらず不協和音的に、よろめいており落ち着かない。

 しかもリズム支配が弱いというか、安定性を欠き全体のメロディがどこかギクシャクしたような感じになってしまう。

 ティンパニを伴ったフォルテッシモの荒々しさは悪くなかったが、アクセルとブレーキのバランスがイマイチで、あまり聴き慣れないメロディが突然浮き出てしまったりもする。

 ストリングス全体でも安定感があったとは言えず、残念ながらアマチュアっぽさが出てしまった演奏という感想だ。

 アダージョの第2楽章では、テンポが遅い分だけストリングスが安定した印象であるが中音域(ヴィオラ)の音色が何となくむず痒い部分がある。

 全体としてやや単調な流れになってしまった面はあるが、演奏としては前楽章に比べればかなり整った演奏になり、落ち着いた演奏が展開する。

 第3楽章のスケルツォは、リズムが大事な楽章だがその肝心なリズムが何となく落ち着かない印象というか、流れがややスムーズさを欠いた。

 第1ヴァイオリンの不安定さも気になるが、ホルンなど所々で音が乱れてゴツゴツした音楽になってしまう。

 そしてフィナーレの第4楽章に入ると、第1主題で推進力の強いメロディが展開されるが、第2主題にはいるとやはり第1ヴァイオリンの音色不安定さが目立ち、テンポも流されるように不安定になってしまう。

 全体としてテンポの支配が弱いのでメロディの結合が弱く、音楽としての統一感の弱い音楽になっていたように思う。

 故にフィナーレでも、やや各楽器の音がバラついたままゴールを迎えてしまったような印象だ。

 アマチュアではあるが全体的に手練れのベテラン奏者が揃っていたような印象なので、第1ヴァイオリンとテンポをもう少し調節すればもっと良い演奏になるのではないか、そう感じたこの日の演奏である。