去年、大相撲の時津風部屋で殺人事件があったのは記憶にあると思います。
これは暴行死事件ではなく、意図的な殺人事件であるというのが私の認識です。
当ブログでも何度かこの話題を扱ってきています。
過去記事『腐敗しきった相撲協会の体質』
過去記事『指導という領域を逸脱した殺人行為』
過去記事『体裁を整えることに必死な角界』

事件発生から半年以上が経過し、やっと犯人の逮捕に至りました。
誰がやったか明確であるにも関わらず、随分時間がかかったなぁという印象です。
今後は少しずつ、事件の全容が明らかになっていくことでしょう。

参考↓『力士暴行死:執拗な暴行の詳細判明 少なくとも計8回』
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080209k0000e040062000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080209-00000056-mai-soci

(以下、記事を引用...)
大相撲時津風部屋の力士暴行死事件で、死亡した序ノ口力士、斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)=時太山=が2日間にわたって受けた暴行の詳細が9日、愛知県警特別捜査本部の調べで分かった。斉藤さんは少なくとも計8回にわたって兄弟子らから暴行され、暴行に関与していたのは延べ20人を超えていたとみられる。8回のうち、けいこ場であった暴行は死亡当日のぶつかりげいこだけで、特捜本部は執拗(しつよう)な制裁の実態をさらに詳しく調べている。
調べによると、斉藤さんは07年6月25日午前11時ごろ、愛知県犬山市の宿舎から脱走し、正午過ぎに伊塚雄一郎(25)と木村正和(24)の両容疑者=傷害致死容疑で逮捕=に発見され、宿舎に連れ戻された。この際、2人から平手などで殴られ、さらに午後1時ごろにも両容疑者を含む4人から木の棒などで殴られたという。
午後8時ごろ、夕食の席が設けられた宿舎の大部屋で、斉藤さんは前親方の山本順一容疑者(57)=同=の近くに正座させられたが、ひざを崩したことを理由に伊塚、木村両容疑者に平手で殴られ、午後8時半ごろには山本容疑者からもビール瓶で額を殴られた。
その後、山本容疑者が兄弟子に「お前らも教えてやれ」と指示。藤居正憲容疑者(22)=同=ら3人が斉藤さんをけいこ場に連れて行き、テッポウ柱に縛り付けて約15分、木の棒や素手で殴打した。いったんは大広間に連れ戻されたが、再び大広間の外で約15分にわたって木村容疑者らから暴行された。暴行が終わったのは午後10時ごろ。山本容疑者はこの間、暴行を承知の上で、酒を飲むなどしていたという。
翌26日、午前7時前に起床した斉藤さんは7時半ごろから山本容疑者に木の棒で殴られ、兄弟子からも金属バットや棒などで殴られた。ぶつかりげいこは午前11時ごろ始まり、斉藤さんは11時半ごろに倒れたという。
この8回とは別に1~2度ほど、他の力士に殴打されたこともあったという。

■斉藤さんが受けた主な暴行■
<07年6月25日>
(1)木村、伊塚両容疑者が足げり、平手で殴打=午後0時40分ごろ
(2)木村、伊塚両容疑者ら4人が木の棒や平手で殴打=午後1時ごろ
(3)木村、伊塚両容疑者が平手で殴打=午後8時ごろ
(4)山本容疑者がビール瓶で殴打=午後8時半ごろ
(5)兄弟子3人がテッポウ柱に縛り、木の棒や平手で殴打=午後8時45分ごろ
(6)木村、伊塚、藤居の3容疑者が大広間の外で暴行=午後9時45分ごろ
<翌26日>
(7)山本、木村、伊塚の3容疑者が金属バット、木の棒、平手などで殴打=午前7時半ごろ
(8)木村容疑者らを相手に30分のぶつかりげいこ=午前11時ごろ


引用記事を読めば読むほど、あまりにも酷い惨状に目を覆いたくなります。
こういった暴力行為は、日常茶飯事で行われていたのでしょう。
恐らく「角界の常識」だったのではないかと思います。
世間的に見れば、どう考えても「非常識」なんですけどね。

相撲部屋での親方の位置付けは、本来は預かっている力士の親代わりです。
勿論厳しさも必要ですが、それには愛情の裏付けがあってこそ意味があるのです。
強い力士を育てるために厳しい稽古をするのは、これは当然のことです。
しかし、陰湿な暴行はその範疇を大きく逸脱しています。
ましてや、死者が出るような行為なんて決してあってはならない筈です。
前親方には、きっと人間としての愛情のかけらもなかったのでしょう。

今のところは、死因になり得る暴行について情報が少しずつ公開されています。
何れは、常態化していた暴行の内容も明らかになっていくことを期待しています。
そうしなければ、同じ事件が繰り返されてしまうような気がします。

このような事件を再発させてはなりません。
しかし、今の相撲協会には何も期待できないのですけどね。

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