240612
湿気の中から蚊が湧き出して
二の腕と首を吸った
それはもうそのままにしていた
掻いて膨らむ皮膚を眺めた
ボールペンを手のひらに走らせ
甘く苦い匂いに連れられて
インクは父親そのもので
意味が意味をなさない沃野の
解釈から遠く隔たったところへ
行けるものだろうか
才の程を知らずに望むならば
その果ての砂漠に小さな小箱があって
湿気はそこから出ていた
霜や霧や海になり損ねた
星になり損ねた砂と
勇気になり損ねた愛情と同じように
湿気の中から蚊が湧き出して
二の腕と首を吸った
それはもうそのままにしていた
掻いて膨らむ皮膚を眺めた
ボールペンを手のひらに走らせ
甘く苦い匂いに連れられて
インクは父親そのもので
意味が意味をなさない沃野の
解釈から遠く隔たったところへ
行けるものだろうか
才の程を知らずに望むならば
その果ての砂漠に小さな小箱があって
湿気はそこから出ていた
霜や霧や海になり損ねた
星になり損ねた砂と
勇気になり損ねた愛情と同じように