吉報
もごもごと反芻して
練り合わさったものが出てくるのを待っている。
待っている。
唯一無二でありたい、私は私の軌跡を遺したい
などという熱い情熱や欲といった
もうそういうものでもなく
覚えて覚えて忘れて忘れて
それでも残らざるを得なかったあれや
日常で繰り返し繰り返しよごれ染み込んだあれや
特に大事とも思わず捨てる気も起きなかったこれなどが
胃や酸、二酸化炭素、小さくとも一つの遠心力、心の
で練り合わさって出てくる私の中の何かのかがやくかけら
サンタを乗せ忘れた年明けのトナカイのような吉報を待っている。