ユズリハ | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

ユズリハ

昔私も大事な人に言われたことがあるのだ

ワタナベ ユズリハを知っているかと

ユズリハは時が来て 次の者が来て

その時ようやく自ら葉を落とすのだと


おそらく今打ちひしがれているのだろう

自分には才能がない 力がない

なぜこのようなことを今自分が任に

才ある人は他にも山のようにいて

私でなければ余程うまくいくだろうに


そもそもなんでこんな道を選んでしまったのだろう

向いてなどいなかったのだ始めから


早くここからおろしてほしい

もう十分だ これ以上は害だ

いっそ自ら退くと 辞めます そう

喉口まで言葉が出ているのだろう


だがそんなことは考えなくていいのだ

そこがあなたにとって

大き過ぎる服だろうが 力不足だろうが 

単なる間違いだろうが

そんなことは何一つ構わないのだ

ダメならダメで代わるときが来る

その時まで一所懸命やればいいのだ

結果なんてどうでもいい

ましてや他者にどんな影響を与えるかなんて

微塵も思わなくていいのだ


足らなかろうが至らなかろうが

知るか そんなこと

ただひたすらに今 今だけに努めろ

ひとつひとつ進め

己の声だけに耳を向けろ

どうすれば何かを少しでも改善できるか

自分を好きになれるとしたら

それは一歩でも自分が変化したときだけだ

それだけだ

だからただ自分の成長にのみ気を向けろ

お前はユズリハなのだから


遅かれ早かれその時はくる

だが今お前がこの木この場所に宿ったのは

意味があることなのだ

もっといえば人生のある一点で

たとえそれが気まぐれだとしても

お前はこういう生き方を選んだのだ

もっと賢い生き方や安全な道もあったろう

でもお前は愚かにも一瞬の輝きにかけたのだ

後のことなど考えたならこんな道は選ばなかったろう


だから後のことも先のことも考えるな

辞めるなど口にする必要もない

決して自ら譲ることなど考えるな

しがみつけもがけくるしめ

いつか心の底から納得して

欠片の後悔もなく晴れ晴れと

台風が過ぎた今日の空のように

何の力もいらず自然と落ちる日がくる

その日まで恐れず全うせよ

恥ずかしい話 

私もあの日からまだその真っ最中

お前と同じく 嵐の真っ只中なのだ 


共に邁進しよう

私たちはただ

ほんの一枚のユズリハなのだから