分光 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

分光

いまいちどこの白色光を

我がプリズムにて分光せねばならぬ

ひとくくりの事象を

七色の粒子へと

 

悲しみも喜びも憎しみも

一緒くたにしてはならぬ

より粒度をあげて

この人生を離散的に受け取らねば

 

いま我がプリズムの躯体の中

光速は秒速7kmまで減速している
(生きるには遅すぎる)

あらゆるものは干渉縞としてしか計測できず

私は私のドッペルと干渉し始める

 

ドップラーに引き伸ばされた

血液のように苦い赤色偏光
(それは分離された私以外の私の波長)

いまや肥大した心臓 ベテルギウスの

末期を眺める電磁生命素として放たれる