ボタン
一つのボタンのとれかけたまま
いつか付け替えようと思いながら
その日その日と着続けていた
ある日なくなる
わかっていたのになぜそのまま
だがその服はデザイナー曰く
「わざと一つはずれやすくしている
持ち主が新しいボタンをつけることで
はじめてその人だけのものになるために」
ユザワヤにいった ボタン置き場は3Fで
エスカレーターに乗る間
どんなボタンにしようか
どんなオリジナリティをだそうか
ほぼ同じボタンがあった
私はどれだけはずれようかと力を入れていた
金か、くるみか、貝殻か
結局似ている紺のボタンを買った
私のシャツの袖はまだ
オリジナリティのない
ほぼ既製のまま