眠気 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

眠気

眠り方を忘れた夜は

自転車にまたがり闇を漕ぎだす

月と街灯に照らされた

二つの影は千切れては伸び


漕ぐ足は重い いったい

身体の速さに心が追いつかないのは何故か

スピードの話ではない

身体はいつも心を先んじる


黒く伸びる影のように

加速度的に身体は残りの人生を駆けるだろう

自転車のシフトを上げても追いつかず

心は少年の頃からいつも置き去りで


所々に何か

大事なものを忘れてきた気がする

この先で手にすることはあるだろうか


T字のハンドルは固定され

ブレーキはないに等しく

眠気を覚えるまで足は

丸いということ以外月に似たクランクを回す