本
読み終えた本の
裏表紙に手を置く
角の曲がりや帯の破け
インディゴの移った小口
余韻が手を離さない
たった数日の携行
ポケットやリュックの中で
無造作に揺れ擦れ
そのうち無二の友となって
私は友達が少ないので
どうか友達になってくださいと
表表紙に声をかけてから読む
もう良い年だが
人に聞こえないように
脳は小さな部屋をでれないが
幾人もの人生を生き
あらゆる世界を飛ぶ
願わくば
私も誰かの何かの種になって
見知らぬ人の綿毛となって旅したいと思う
読み終えた本の
裏表紙に手を置く
角の曲がりや帯の破け
インディゴの移った小口
余韻が手を離さない
たった数日の携行
ポケットやリュックの中で
無造作に揺れ擦れ
そのうち無二の友となって
私は友達が少ないので
どうか友達になってくださいと
表表紙に声をかけてから読む
もう良い年だが
人に聞こえないように
脳は小さな部屋をでれないが
幾人もの人生を生き
あらゆる世界を飛ぶ
願わくば
私も誰かの何かの種になって
見知らぬ人の綿毛となって旅したいと思う