本 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

読み終えた本の

裏表紙に手を置く

角の曲がりや帯の破け

インディゴの移った小口

余韻が手を離さない


たった数日の携行

ポケットやリュックの中で

無造作に揺れ擦れ

そのうち無二の友となって


私は友達が少ないので

どうか友達になってくださいと

表表紙に声をかけてから読む

もう良い年だが

人に聞こえないように


脳は小さな部屋をでれないが

幾人もの人生を生き

あらゆる世界を飛ぶ

願わくば

私も誰かの何かの種になって

見知らぬ人の綿毛となって旅したいと思う