蝶々
緑を透かす梢枝の間を
白い蝶々が飛んでいる
ひらりひらり
木漏れ日を埋めるように
いつか自分の枠を破りたく
出鱈目に書いたつもりが
読んでみれば笑えるほど
いつも通りの自分のままで
その下にヒトスジマダラのカミキリがいて
身動きもせず木の汁を吸う
空は夏の入り口なのに
秋のような鱗雲がひしめき
あの人は放っておいてあげて
せっかく殻が出来上がったのだから
誰もがそのうち緩みはじめる
私はその隙間を心で埋める
自分以外の何者にもなれない
自分の心で