新しい靴 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

新しい靴

新しい靴を履いて朝

どこまでも行ける気がする

 

つま先を二度三度地面に打ち付け

シュータンを引き上げ

ヒールカップをあわせる

 

おろしたてのスポンジのような

まったくへたらないソールが

ぐんぐんと足を押し返してくる

 

明け方に雨が降ったのか
黒く湿ったいアスファルトが灰色と乾き

その境目を選んで走る


冷たく頬を流れる風の中に

沈丁花の薫り

産毛が湿って白く光る
 

いつもと同じ道を

いつもと違う靴で

いつもと同じ景色を

いつもより速いスピードで

 

どこまでも走れる気がする