久しぶりのオフ
久しぶりのオフ
何をしようかと思い描きながら
布団の中でYouTubeを
将棋の朝日杯の藤井聡太の優勝を皮切りに
羽生善治の伝説の5ニ銀
引いては升田幸三の新手一生まで
遡りながら気がつけば15時
のっそり起きて何をするにももう手遅れな
気持ちを押し殺してもう夕方のような
オレンジ気味の陽を浴びながら
なべすけという濃厚鳥そばの店に行けば
月曜は定休日
何かをしなくてはオフの意味がないと
慌てて漫画喫茶に
読みかけのビースターズを読み
ワンツーチーで肉玉ライス
体を絞ると決めたはずが
ティップネスにいく気力もなく
帰路に着き早々と布団の中へ
何もせずとも何もおこらずとも
何もしゃべらずとも誰とも会わずとも
何もなく一日が過ごせてしまう
布団の軽さ
辿り着きたくも辿り着けない
道の至らなさあやふやさ
手の届かぬ星であっても
その路程の輝くことを
蛍光灯の紐を引き
万力の夜
誘蛾の夢