赤毛のケリー | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

赤毛のケリー

朝起きてやおら
苦いだけの熱いコーヒーを流し込み
胃が軽い緊縮と痛みを覚えたら
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
赤毛のケリーをiPhoneからならす
アベの削るギターに合わせて
着替えもせず寝癖のまま
スクワットを黙々と始める
ポンプみたいに太ももが
血管にカフェインを巡らすのを待っている
この歳にして
というよりこの歳になってもう
情けないことに叫びたいこともない
ジーンズがずいぶんと厚く硬く感じる
立ったりしゃがんだりを繰り返しながら
からっぽの中から何か生まれないか
ちがう何か入れるためにからっぽになるのか
iPhoneスピーカーの平べったい
チープな音質にも関わらず
ギャリギャリとしたギターソロ
心拍数と乳酸とカフェインをブレンド
濾過し毛穴から汗が吹き出しても
やってることは中学から変わらない
自分がスクワットなのか
スクワットが俺なのか
太ももの一部なのか
筋肉の塊がすべてなのか
ワンツースリーフォー
判然としないままギシギシと
それでもこの単調な単純なパターンがいつか
何か大事なものを浮かび上がらせてくれ
赤毛のケリーはもうアウトロに差し掛かる